その他のFAQ41

@
不発が起こった際、遅発(時間差をおいて発火する現象)の可能性を考慮し、銃口を安全な方向に
向けて数秒ほど待ってから不発弾を取り出すと言われるが、実戦の場合は、そうも言っていられな
いのでは?このような場合、どちらのリスクを重要視するのか?

A
DAリボルバーの利点の一つとして、もし不発が起こっても、続けてトリガーを引けば、直ぐに次弾を
発射できると言われるが、この場合、先送りした不発弾に遅発が起こった場合、危険なのではない
か?それが実戦ならば、そんなリスク(遅発の危険性)は無視すべきなのか?

B
遅発とは、パウダーが湿気ている(劣化している)事で起こるのか?どの様な条件で、起こり得るの
か?米国で普通に射撃をしていて、頻繁に起こる事なのか?

C
不発は「ミス・ファイア」だが、遅発は何て言うのか?「ディレー・ファイア?」



  答え

Bから回答します。
日本に居た頃も含め、数え切れないほどの実包を撃ちましたが、遅発は経験した事がありません。
現在のブランド品ファクトリー・アモを使う限り、遅発の確立は恐らく数千分の1以下だと思いますね。
起こるとすれば、数十年経ったような期限切れアモ、製作に不手際があったリロード弾などでしょう。

遅発はパウダー側の原因ではなく、プライマーの発火が遅れる事で起こると、私は考えます。何故
なら、パウダーが湿気て発火しなくても、プライマーが問題なく発火すれば、その圧力だけでブレット
がある程度の距離を前進するからです。その場合、遅発とはなり得ませんよね。単なる停弾、或い
は不完全燃焼での発射となる筈です。ただ、ライフルなどの長銃身の場合、プライマーの圧力でブ
レットがバレル中程まで進み停弾、その直後、バレル内に散開した湿気たパウダーが発火して「遅
発」となる可能性はあります。これは拳銃やショットガンでは、起こり得ないでしょう。

もう一つ、これもライフル弾で稀に起こる現象ですが、プライマーが発火した後に、それがパウダー
に燃え移る(燃焼させる)段階で、極僅かに時間差が生じる場合があります。言葉で説明するのが
難しいですが、「ズ・・・ドーン!」って感じ?(笑)。これも遅発に含まれると思いますが、この場合、
パウダーとプライマーの相性に原因があると思います。(この遅発なら私も経験があります)

纏めると
何事も起こらない不発の後、数秒たって通常発火する遅発→プライマーが原因
軽い発火音のあと、不完全燃焼気味に発火する遅発(ライフル銃のみ)→パウダーが原因
プライマー〜パウダー燃焼の間に、一瞬の時間差がある遅発→プライマーとパウダーの相性が原因




@
私個人の考えですが、実戦で不発(遅発の可能性あり)が起こった場合、それが自動式の銃ならば、
迷わず直ぐに再装填すべきだと思います(リボルバーの場合は後述)。実包(不発弾)がチャンバー
の外で発火しても、それは大した威力にはなりません(実包はチャンバー&バレル内で発火させて、
十分に威力が発揮される)。余程運が悪くなければ、軽い怪我程度で済みます。相手に撃ち返され
るリスクより、絶対にマシだと思います。




A
質問にある「DAリボルバーの利点」と言うのは、私は間違っていると思いますね。理由は質問にある
通り「遅発となった場合に危険」だからです。@で回答した自動式の銃の場合、再装填すれば不発
弾は外に排出され、それが遅発しても被害は小さいですが、リボルバーの場合、それはシリンダー
内に残る訳ですから、遅発すれば最悪は銃の破壊に繋がります。シリンダーのポジションによっては
ブレットが上手く外に発射されるか?(笑)何れにしても、リスクが大き過ぎます。リボルバーの場合、
それが実戦でも、不発が起こったら暫く待った方が良いと思いますね。銃を構えた相手と向き合って
いるような「危機的状況」ならば、そちらの危険回避が優先かな?状況次第です。

余談ですが、リボルバーで不発が起こった場合、それを排出するには細心の注意が必要です。自動
式の場合、スライドを引けば直ぐに排出されますが、リボルバーの場合、先ずシリンダーを開放しなけ
ればならず、万一、その時に遅発してしまうと、ケース・ヘッドが射手に向かってブレットの如く発射さ
れる訳です。チャンバー内での発火なので、エネルギーは十分に有しており、非常に危険です。この
場合、スイング・アウトしたシリンダーの前後は「銃口と同じ」と考え、方向には十分注意し、もたもた
せずに速やかに排出します。その際、エジェクターはなるべく使わず(手が前方に被ってしまうので)、
銃口を上に向け、不発弾を「ストン」と落とし出すのが最良でしょう。或いは、射台などにエジェクター
・ロッドを当てて押し出すなど。間違っても、不発弾を手で引き抜いたりしないように。これはシリンダ
ーがスイングアウトしないSAリボルバーの場合も同様です。




C
ハング・ファイアです。




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  その他のFAQ42

@
バレルの上にリブを備えた散弾銃や競技用拳銃(PPCカスタムなど)があるが、両者の目的は同じ
なのか?また、ライフルにリブ付きを見かけないのは何故か?

A
バレル上のリブは照準器の一種(一部)なのか?他に強度を向上させる的な役割は持たないのか?

B
パイソンのベンチレーテッド・リブは、「陽炎を防ぐ目的」と聞きましたが、どの様な理屈で陽炎を防止
するのか?



  答え

@
散弾銃と拳銃のリブでは、存在意義(大袈裟?)が異なります。散弾銃の場合、基本的に標的は動く
小さな物(鳥やクレーピジョン)であり、また、弾丸は一つでなく、複数の散弾を広範囲に散開(パター
ン)させる特徴があるため、照準には精密さよりも素早さを要求されます。従って、特殊な物を除けば、
基本的にリア・サイトがありません。この場合、バレル先端に付いたフロント・ビード(丸型照星)にて、
目標をポイントし、銃軸線(ライフルや拳銃で言うところの「見出し」)を決めるのは、フロント・ビードま
での間に見える「銃全体」と言う事になります。リア・サイトは無いけれど、だからと言って見出しが要
らないわけでは無いのです。バレル上にリブがあると、構えた瞬間に、銃軸線が左右にズレていない
か?上下の角度は合っているか?より素早く(ほとんど無意識のうちに)認識する事が出来ます。

追記
散弾銃の見出し確立には、ストックへの肩付けと頬付けの正確性も併せて要求されます。その2つが
出来て、リブ&ビードでの素早い照準が可能。散弾銃の照準は、相当な訓練が必要です。



図にするとこんな感じ。


この様にリブにパースが付いて台形に見えますから、その形状によって、左右のズレや上下角を認
識するのです。練習して慣れてくると、リブの形(見え具合)が頭に焼き付くので、構えた瞬間に照準
を作り出す事が可能です。その反面、一点を正確に狙う事はできません。ライフルに用いられないの
は、このように照準に求められる要素が異なるからです。

とは言え、例えば猪猟など、素早く動く獲物をカービン銃などで瞬間的に仕留める場合、散弾銃同様
のリブ・サイトは、十分に有効だと私は思いますね。そんな銃があっても良いんじゃないかな〜?

拳銃の場合、多くは「ハイリブ」と呼ばれるもので、サイトシステムを一体化した形状の物が多いです。
例えば、M1911系のブルズアイ・カスタムや、リボルバーのPPCカスタム、国際クラス競技銃など。
一体化するメリットは、フロント&リア・サイト間の剛性向上や、銃本体へのフィッティングを確実なも
のに出来る。他に、サイトシステム全体を一つのカスタム・パーツとして販売でき、その取り付けも簡
素化できる。などなど。但し、ハイリブやハイサイト(照準器を銃軸線よりも、ずっと高い位置に持って
来る方法)の優位性は、未だ確立されていない筈。個人の好みの問題かな?

言うまでもありませんが、拳銃の場合、前述の散弾銃のリブ的な役割は一切ありません。


A
強度向上の意味合いは無いと思いますね。上だけリブで補強しても、熱で反ってしまいそうだし。


B
散弾銃のリブにも穴の開いた「ベンチレーテッド・リブ」が同じ理由で存在します。これらは陽炎の発
生を根本的に抑える訳ではなく、それが真上に立ち昇って照準線を妨害しない様にする理屈だと、
私は解釈しています。つまり、橋桁の上のリブには熱が届き難いので、バレルの熱はリブの左右に
逃げて照準線に影響しない訳です。

・・・なのですが、あまり効果は無いかなァ?「本来なら100発で影響するところ、200発まで持ち堪
える」的な感じだと思います。連射していれば、いずれはリブにも熱が伝わって同じ事です。特にパイ
ソンの場合、橋桁が大き過ぎるので、熱はあっと言う間にリブまで伝わるでしょうね。あれは「デザイ
ン上のアクセント」的な意味が強いと思います。


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 その他に関するFAQ43

埼玉にある、自衛隊体育学校朝霞射撃場(25m)を見学した人の目撃談で、以下の話がある。

「体育学校の人が、ワルサーOSPをターゲット外の土手(たかひろ注:バックストップと思われ)に向
かって何度も連射していた。これは何の意味があるの?」

掲示板などでは、「残弾処理では」の意見が多いが、実際はどうなのか?そう言った体験はあるか?



 答え

ファンクション・テストですね。武器庫のレポートなどで過去何度か触れましたが、競技用のセミオート
ピストルは、非常にセンシティブで故障が起こり易く、また何万発も撃つので、必ず途中でトラブルが
発生します。有名なところでは、ロス五輪で金メダルを獲った蒲池選手のOSPが、シア付近の摩耗で
フルオートになってしまう故障。他にも、マガジンリップ変形による装填不良、チャンバー摩耗(膨らむ)
による排莢不良etc・・・。なのでその都度、銃を修理調整、試射する必要が生じます。その際の作動
テストでは、ターゲットを狙ったりはしません。バックストップに向かって何度も5連射を繰り返し、試合
で使うのに問題ない状態であるか確認します。

恐らく、質問の目撃談は上記の事ではないかと思いますね。体育学校の選手と言えども、消費できる
弾薬は限られている「貴重品」なので、残弾をバックストップにバラ撒くなんて「リッチな遊び」は出来
無い筈です。また、「そんな時(作動テスト時)でも、練習を兼ねてターゲットを狙えば?」と、思うかも
しれませんが、作動するかしないか定かでない状態の銃で練習するのは、メンタル的に極めてマイナ
スなので行うべきではありません。

余計なお世話は承知の上で、体育学校の皆様に進言。外部見学者が居る時に上記の様な行動は、
今回の様な誤解を招くので避けた方が賢明かと。「税金で遊んでいる!」と、左翼のプロパガンダに
利用されるかも(笑)。


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  その他に関するFAQ44

「ボルトと言うのは、(軸方向に)回転させて閉鎖させる物のみを言う」との説があるが、本当か?他に
スライドやブリーチなどの呼称があるが、どう使い分けるのか?



  答え

日本では「ボルト」と言うと、スクリュー・ボルトを主に指すようで、恐らくそのイメージから出た解釈だと
思いますが、英語では閂(カンヌキ)の意味も持ちます。

つまり、銃用語のボルトは、閂に端を発した言葉であり、回転とは無関係です。ティルト・ロッキングや
ローラー・ロッキング、ブロウバック式サブ・マシンガンなどのボルトは回転しませんが、ボルトと言いま
す。それ以外でも、中折れ銃や旧軍二式テラ銃などで用いる、横から入るクサビ型のロックはクロス・
ボルトと言います。従って、回転するボルトは「ターン/ロテイティング」など、わざわざ回転を意味する
言葉を前につけている
のです。質問の説が本当なら、こんな言葉は要らない筈ですからね。

スライドは「滑走」などの意味ですが、オートマチック・ピストルの上部が大きく滑り動く様子から、この
ように呼称するようになったのでは(私見)?従って、レシーバーに覆われた内部で前後運動するボル
トは、スライドと言いません(滑走する事にかわりはないので誤りとも言えないが、一般的でない)。

ブリーチの単語は広い意味を持ちます。銃の中心部、機関部等、広範囲を含めた意味になってしまい
ます。ブリーチ・ブロックと言うと、「尾栓」となり、初めてボルトと同じ意味を成しますが、あくまでも「栓」
なので、全体的に小さい形状の物を指すようです。例えば、ルガーP08などの小振りな物はブリーチ・
ブロックと称します。但し、これも絶対にと言う事はありません。P08のブリーチ・ブロックを、スライドや
ボルトと称しても、間違いとは言い切れません。


余談
銃用語で困ったら、英和辞典で言葉の(本来の)意味を調べる事をお勧めします。銃とは関係無いよう
に思うけど、これで結構解決する場合が多いです。誤解や誤認に気付く場合もあります。





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