一般的な分解写真

今まで私が見た銃雑誌の殆どの分解写真では、赤矢印部分のシア(厳密にはトリガーバーの一部ですが
ここでは分かり易くシアと言う)が、リリースポジション(写真の位置)ばかりでした。これは、分解する時に
ファイアリングピンをリリース(落とす)してからでないと、分解用のロッキングを解いても、スライドが前に
引き出せないからです。分解した状態では、シアはこの位置にあるのです。

しかし、ここに誤解の原因がある気がします。シアがこの位置にあると、普通のストライカーシステムの
シアに見えてしまいます。けれども、トリガーのポジションで分かる通り、これは撃発後の状態なのです。

実際にファイアリングピンがハーフコックされ、トリガーがスタンバイ・ポジションにある状態のシア位置は
ココです!



本来のスタンバイ・ポジション
(最初レディ・ポジションって書いたけど、↑コッチのほうが適当だな)

シアが前方に移動しているのが分かりますか?トリガーも撃発前の状態に戻っています。ここが本来の待機
位置なのです。トリガーに棒を差し込んでいるのは、トリガースプリングのテンションが、普通の銃とは逆方向
つまり、トリガーを引っ張る方に働いているからです。シアの後ろ下側に、引っ張りバネが見えると思いますが
これがシアとトリガーを後ろに引っ張っているのです。

では、シアやトリガーが、撃発位置(ひとつ前の写真)から↑の待機位置にどうやって戻るのか?
これは今説明すると少々ややこしくなるのでちょっと後回し。ダブルアクションについてのみ説明します。
















スタンバイ・ポジション拡大

これがファイアリングピンがハーフコックされた状態でのシア位置です。ファイアリングピンは
赤矢印部分に引っ掛かって保持されています。
ちなみにこの位置ではファイアリングピンは
ファイアリングピン・ブロックによってロックされており、また、シアはこの位置では上下には
動かないので、シアとファイアリングピンの引っ掛かりが外れて暴発する危険性は、限りなく
ゼロに近いです。では、ここからファイアリングサイクルをスタートします。

先ず、トリガーを引くと・・・・・




ファーストステージでのコッキング

トリガーのファーストステージを引き絞ると、シアはファイアリングピンを引っ掛けたまま、写真の
位置まで後退、つまりファイアリングピンをコックします。 レディポジションの写真と見比べると
移動距離が分かり易いと思います。

そして最終的に写真の位置↑でトリガーが重くなり、ファーストステージは終了。
そこからがセカンドステージです。





セカンドステージでのコッキング、そして開放

重くなったセカンドステージ、何故重くなるかと言うと、シアが下降運動に入るからです。つまり今まで
 後ろ向きに後退していたシアが、コネクターと呼ばれる傾斜に当たり、それに沿って下降を始めます。
この時の抵抗と、高まったファイアリングピンスプリングのテンションでトリガーが重くなり、その感覚が
ガバメントなどのシングルアクションで言うところの「シアを動かす行程」に相当するのです。そして
更に、重くなったトリガーを引き切ると、シアは完全に降下、ファイアリングピンの噛み合い(最初に
示した赤矢印)が外れ、ファイアリングピンは前進、撃発(空うち)となります。

再び前の写真と比べて見て下さい。セカンドは移動距離にすると2ミリ弱、ほんの僅かですが、この
僅かな距離が、シングルアクションに比べると若干のキレの悪さにつながっています。但し!ベレッタ
M92や、CZ75等のシングルアクションモードも、かなりキレが悪いですし、この辺は50歩100歩。
また、グロックはコネクターの傾斜やシアの接点をチューンする事で、キレを良くする事も可能です。
(但し、キレを良くする事が100%良いこと尽くめとも限らないが・・・)







スタンバイ・ポジション〜コッキング〜リリース(撃発)まで、トリガーの動きと併せて見てみましょう。

スタンバイ・ポジション
(ファイアリングピンは、スライドの閉鎖によって、既にハーフコックされている状態)




ファーストステージでのコッキング









セカンドステージでのコッキング、そして開放










トリガーはファイアリングピンをコックした後にそれを開放。
紛れも無くダブルアクションです。






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