ライフルに関するFAQ61

武器庫のサイミーズ・マウザーは、ダスト・カバーをどうやって分解(外す)するのか?三八式のように
後ろに引き抜けるのか?三十五年式もサイミーズ・マウザーと同じタイプのダスト・カバーだが、これは
どう分解するのか?




  答え

先ずストックとレシーバーを分離させ、(勿論アッパー・ハンドガードも外す)、タンジェント・サイトを上に
跳ね上げます。そうすると、ダスト・カバーは前方にスライドさせて外す事が出来ます。

分解写真
 
通常時はサイトを跳ね上げても前方には抜けません。ストックに当るからです。そして、ストックに当る
手前に本来の停止穴(カバーのストッパーが入り込むレシーバーの穴)がありますので、通常そこに
落ち込み停止します。なのでストックとカバーがぶつかって痛む事はありません。

三十五年式は手に取った事が無いのですが、写真から判断して同じ分解方法だと思います。三十五
年式はボルト・ストッパーの出っ張りが少ないので、後ろに引き出せそうな感じもしますが・・・?

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  ライフルに関するFAQ62

たかひろ注釈: 中国に残存する三八式と九九式を実射した方から、以下の様な質問がありました。

(事例@)
数十丁の有坂小銃の内、安全装置を掛けた状態でトリガーを引くと、その時は何事も無いが、安全
装置を解除した途端に暴発する物が、3分の1程度の割合であった。

(事例A)
また、ボルトハンドルを少し起こして安全状態にし、トリガーを引くと、その時は何事も無いが、ボルト
ハンドルを発射位置に戻した途端に暴発する物もあった。

これは構造上の問題なのか?他の個体でも起こり得るのか?




  答え

回答の前に、事前説明と言う事で、過去に説明した有坂小銃のマニュアル・セーフティについて、未
見の方はコチラでどうぞ(半分から下の方に説明があります)→マニュアル・セーフティ機能




さて、では先に進みます。

事例@ですが、セーフティ・ノブのストライカーを保持する部分が摩耗すると、起こり得るでしょうね。
これは初期のマウザーC96(ブルムハンドル)にて発生する事も、良く知られています(マウザー
の場合、「セーフティ・レバーのハンマーを保持する部分が摩耗すると・・・」です)。

・・・と!

最初は思っていたのですが、やはり「思い込みで判断は良くない」と思い、実際に手持ちのジャンク
パーツを削ってみたのですよ。どの程度まで摩耗すると、事例@が起こるのか?

その結果がコチラ↓


あはは!削り過ぎ〜!と言うか、驚いたのは、結局ここまで削る間に事例@の現象は全く起こらず、
(コンマ数ミリ単位で、少しずつ削っては試して行きました。写真の0.5mm手前までは正常作動)
写真の位置まで削った時点で、セーフティが掛からなく(ノブが回らなく)なってしまいました。つまり、
この部分(ノブとストライカーが引っ掛かる部分、両方、或いは何れか)が、どれだけ異常摩耗しても、
事例@の暴発は起こらないと言う事になります(その前にセーフティが掛からなくなる訳ですから)。

いやァ〜・・・実験して良かったですよ。マウザーC96の例は、有坂には当て嵌まらない訳ですね。
このマニュアル・セーフティは以前から好きでしたが、今回惚れ直しましたね(笑)。疑ってスマン。

では、事例@の原因の真相は?



・・・行き詰まったので、事例Aから検証してみましょう。ボルト・ハンドル不完全閉鎖位置での安全
装置は、過去に説明したのでコチラでどうぞ→恐怖のトリガーロック

これが正常に機能している限り、事例Aは起こり得ません。正常でない部分があるとすれば、上記
リンク先写真の A 或いは B の、どちらかが摩耗していなければなりません。ボルト側の凹は、
摩耗するとは考え難いですからね。

ここで事例@を振り返りますと、原因がシア(リンク先写真の A 部分)の摩耗であったなら、両方の
事例に共通する事に気付きました。事例@の場合、セーフティが掛かった状態ではノブに引っ掛か
って暴発しないが、セーフティを外して、ストライカーの保持がセーフティ・ノブ → シアへと、バトン
タッチされた瞬間に、シアがスリップしてしまう訳です。

事例Aの場合、Bの突起とボルト・ボディがぶつかって、トリガーはロックされていますが、ボルトとレ
シーバーには遊びがありますから、トリガーを強く引くと B&A は少し動きます。その時に、シアが
摩耗状態でエンゲージが浅いと、ストライカーは半分落ちかかったギリギリの状態で保持されてしま
います(末期の九四式拳銃のように)。この状態で、ボルト・ハンドルを閉鎖位置に戻し、Bの突起が
ボルトの凹に逃げ込める状態になると、反対側のシアはストライカーを支え切れずに、スリップする
訳です。

と言う訳で、シアが極度の摩耗状態にあれば、両方のトラブルに繋がると考えられます。

どうも想像話で説得力に乏しいですが、トラブルを抱えた現物が手元に無いので仕方ありませんね。
ですが、上記の仮定ならば辻褄は合います。質問者も、「正常な物に比べ、トリガーが軽かった」と
証言(?)していました。

では、有坂小銃のシアは、通常の使用でそこまで摩耗するものなのか?

私的に、それは考えられません。これもまた想像話になりますが、トリガーを軽くして命中率を上げる
ための「インチキ・チューン」が施されていたのではないでしょうか?実際、シアのエンゲージを削って
トリガー・プルを軽くするのは、あらゆるジャンルで行われます。しかし、それはジグを用いた正確な
研磨作業や、場合によっては再熱処理もあっての事です。思いつきで、棒やすりでゴリゴリ削ったの
では危険なだけです。今回のも「それ」のような気がしますが・・・或いは、錆によってシアのリターン
・スプリングがヘタリ、戻りが悪くなってエンゲージ不良となったか?(それも大いにあり得ます)

以上は想像話でしたが、実際の話では、中国に摂取された日本軍小銃は、8mmマウザー仕様に
改造されたりなどして、戦後も長期間使われていました。その間に、他にどんな改造や改悪が行わ
れたか分かりません。そう言えば、自衛隊で30−06仕様に改造された九九式も散々でしたよね。
ちなみに、私の手元にある十数丁の三八式、九九式では、質問のトラブルは一切ありませんでした。
米国に渡った小銃は、その時点で現役から退いてコレクション(飾り物)となっている物が大半です
から、戦後に極度に摩耗したり、改悪された物は少ないです。

結論
質問のトラブルは構造上の問題が原因ではなく、管理の問題と私は考えます。

新たな発見
アリサカのマニュアル・セーフティはしぶとい。




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  ライフルに関するFAQ63

HK416と某社のM4系を比較するテストにて、以下の動画がある↓

http://www.youtube.com/watch?v=AGwkHktkTxU&feature=related

たかひろ注釈:動画は無くなるかもしれないので内容を記述すると、HK416を水中及び、水中から
引き上げた直後に発射しても問題ないが、同じ事をリュングマンシステムのM4(M16)系で行うと
レシーバーが破損(破裂)、マガジンが吹き抜ける。動画はHK社によるもの。:注釈終わり

コンベンショナルのHK416に対し、某社はリュングマンシステムと思われるが、この差はガス機構
の違いによるものか?

某社のが破壊した原因は何か?水中からの発射は、リュングマンシステムの弱点と言えるのか?
コンベンショナルでは起こらないのか?ならばそれは何故か?



  答え

すごくエキサイティングな動画ですね(笑)。リュングマンが破裂した原因は、早期開放によるものと
思われます(個人的に断言)。つまり、未だブレットがボアにある内に、ボルトのロッキングが開放し
たわけです。ピストルですと「びっくりする」くらいで済む場合が多いですが、ライフルは腔圧が高く、
ガス量も多いので派手に壊れたのでしょう。但し、これは企業が一方的に製作した「検証」なので、
作為性が全く無いとは言い切れません。早期開放は事実だとしても、派手にレシーバーが裂けるよ
う細工(裏に切り込みを入れるなど)していた可能性も無いとは言い切れません。テストの際、被る
ヘルメットが異なるので(笑)、早期開放となるのは事前に承知していた訳ですからね。まあ、演出
の有無は兎も角、話を進めます。

では、何故リュングマン(以下リュ)が早期開放してしまったのか?これはボアのガスポートから、ボ
ルトキャリアまでの経路を見れば簡単に理解できます。リュは、ガスポートからキャリアの内部(チャ
ンバー)まで、空洞の筒(チューブ)です。ガスポートから導入されたガスはチューブ内に充満し、加
圧されてキャリアーを動かすので、かなりのタイムラグがあります。対して、ガスピストン式の多くは
ガスポートの直後にピストンがあり(そうでない物もあり、後述)、その後はピストンが機械的にキャ
リアーを押します。なので気体流動のタイムラグが殆どありません。

上記二つを正常なタイミングで作動させるには、リュの場合は早めにロック解除する構造にする必
要があり、ピストンでは何らかの方法で時間差を設ける必要があります。ピストンの場合、具体的に
ピストンロッドに空走距離を設ける(M1ガランド64式小銃等)、キャリアーに空走距離を設ける(SI
G556、SKS等)感じになります。リュの場合、この機械的な空走距離が殆どなく、タイミングはガス
が充満・加圧される時間でセッティングされています。

手持ちのリュとピストンでロック時期を比較してみました。バレルにロッドを挿して加圧し、キャリアを
後退させて、どの時期でボルトがロック解除されるか?白クレヨンで示した2本線の間隔が、ロック
解除までのキャリアの動きです。M4レプリカがリュで、SIG556がピストンです。


リュは5ミリ少々キャリアが後退すると開放しますが、ピストンは15ミリ近く空走します。(どちらも同
一弾薬ですが、ガスポートの位置などで同じ形式でも差があり、写真はあくまで一例)

さて、ここからが本題ですが、もうお分かりですね。両者を水に浸けた場合、ガス通路が液体で満た
されます。ピストン式の場合、液体が満ちる空間が少なく(例外あり、後述)、タイミングは元々機械
的な空走距離にて設けられているので影響しません。しかし、リュの場合はガス空間全てに液体が
満ち、そしてそれは気体より圧縮率が小さい
ので、設定された開放時期よりも大幅に早く閉鎖解除
されてしまうのです。

では、これらがリュとピストンの異差と言えるか?厳密には違うと思います。上記何箇所か「後述」
がありましたが、ピストン式でも大きな空間が設けられた物は存在します。その空間にガスが充満
加圧される時間を開放タイミングの一つに設定、尚且つ空間に水が浸入する構造
ならば、ピストン
式でも早期開放は起り得る訳です。逆に、リュであってもガス通路にチェックバルブやガスリングを
設け、容易に水が浸入しないようにすれば(今の所そう言うモデルは実在しないが)、問題ありませ
ん。

まあ、現行のリュ式では水に浸けた直後の発射は厳禁でしょうね。ピストン式の場合でも「ピストン
式だから大丈夫」と言う訳ではありません。リュの特徴として、軽量/バレル周りのシンプル化/バ
レル振動の均一化など利点は多いです。チェックバルブやガスリングを用いて、ガスラインをシール
ド化する(余剰ガス排出はワンウェイバルブ)、或いはM14の様なセルフカットオフのガスレギュレ
ーター(カットオフ・チャンバー化する)を設ければ、かなりイケてるリュングマンになると思いますね。



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  ライフルに関するFAQ64

三八式歩兵銃のレシーバー側のロッキング部分が見たい。
ボルト・アクション小銃の、ボルトのロッキングはよく見かけるが、レシーバー側はどうなっているの?



  答え

これは質問というよりリクエストですね。確かに、レシーバー側はバレルを外さないと、ロッキング部分
はよく見えません。バレルを外した九九式小銃があるので、その写真を撮ってみました。

別ページヘ

そんな感じです。他に、フロントでロッキングする一般のタイプと、リアでロッキングするSMLEなどとの
優劣を訊かれましたが、これは特にどっちという事はないでしょうね。ただ、強度と精度の点でフロント
の方が作り易く、コンパクトに纏める事が可能です。リアでロッキングするタイプは、レシーバーの後部
まで頑丈に作らねばなりませんからね。フロントでロッキングするタイプは、極端な話を言えば、ロッキ
ングから後方は、ボルトがスライドするガイドの役割だけでも大丈夫と言う理屈になります。



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  ライフルに関するFAQ65

アリサカ小銃のボルトハンドルが、閉鎖状態から少しでも動くとトリガーが引けなくなる安全装置につい
て、FAQ62↑あたりでも「恐怖のトリガーロック」などと紹介しているが、これはアリサカ小銃がコックオ
ン・クロ−ジングであるため、ボルトを勢い良く前進させた時に、万が一にもストライカーがシアーから外
れ、暴発する事がない様に設けた機能ではないのか?この種のライフルは、完全閉鎖位置までボルト
・ハンドルを戻さない内に発射されると危険が伴うので、決して必要ない機能ではないと思うのだが。



  答え

先ず、ボルトを前進させた段階では、そもそもトリガーロックは掛かりません。ハンドルが直立した位置で
は、シアーの突起を解除する溝が、そこにも掘られているからです。「恐怖のトリガーロック」の記述内に
も、空撃ちせずにファイアリング・ピンをリリースする方法として解説しています(出来ない個体もあると言
う結論になったが)。要するに、ハンドルが直立した状態で前進位置までボルトを動かし、その状態でトリ
ガーは引けると言う事です。こうなると、質問者の考える安全装置とは、コンセプトが一致しない事になり
ます。

で、そうするとファイアリング・ピンは落ちますが、暴発は決してしません。何故ならば、ボルトに切られた
カムによって、ファイアリング・ピンは1/3程コックされた状態を保っているからです。コックオン・オープ
ニングは、ハンドルを起こす際にほぼ完全にコッキング完了しますが、〜クロージングであっても幾分は
コッキングを行い、ボルト・フェイスからファイアリング・ピンを引っ込めるようになっています。閉鎖する場
合も、ハンドルを水平位置まで戻さなければ、ファイアリング・ピンがボルト・フェイスから突き出る事はあ
りません。これはイギリスのSMLE小銃なども同じです。

文章では分かり難いので写真に撮りました。

そんな感じです。前述したイギリスのSMLEやNo.4小銃は、アリサカと同じコックオン・クロージングで
ありながら、ハンドル位置によって掛かるトリガーロックはありません。必要ないからです。




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  ライフルに関するFAQ66

垂れブログに出てきたSAFNのファイアリング・ピンは一本物だが、2分割に改良されたと聞いた。何故
2分割になったのか?一本ではトラブルがあったのか?

SAFNは不完全閉鎖での暴発防止(ハンマーがファイアリング・ピンを打撃できない)は、どのようになっ
ているのか?不完全閉鎖で撃発して、銃が壊れるような事は無いのか?



  回答

>質問1
一本物だと折れる事が多かった為と思います。私が入手したのも、実際折れていましたからね。折れる
だけならまだしも、折れた先端がブリーチ・フェイスから突き出して固着していたので、こうなると閉鎖暴
発の恐れがあります。実際に、その状態を再現して閉鎖してみると(プライマーだけ装着したケースで)、
下の写真をご覧のとおり見事に発火しました。



こうなると、マガジンの弾が無くなるまでフルオートになる訳ですが、もっと恐ろしいのは、突き出たファ
イアリング・ピンが弾薬を発火させた瞬間に、ボルトが閉鎖状態になっていなかった場合です。通常は
ボルトが閉鎖した後にハンマーが打撃可能になるので(次の回答で説明する)、このようなオープンボ
ルト式サブマシンガンのような発火は想定外なのです。従って、閉鎖が完全に完了する前に発火する
可能性も高い訳です。もしそうなると早期開放どころか、ロッキング無しでフルサイズ・ライフル弾を撃つ
事になり、大惨事でしょうね。ちなみに、ボルト・フェイスに固定ファイアリング・ピン(単なる突起)を設け
たオープンボルト・サブマシンガンは、全てがブローバック式(ディレイド含む)です。先の理由で、閉鎖
機構がある場合、不完全閉鎖で発火する危険性が高いからです。閉鎖機構のあるオープン・ボルト式
機関銃では。閉鎖完了後にファイアリング・ピンが突き出す構造になっています(固定式ファイアリング
・ピンではない)。

話がちょっと脱線しましたが、2分割ファイアリング・ピンでは、先端の部分にリターン・スプリングの圧が
掛かるようになっているので(下の写真参照)、折れる事も無ければ、先端だけ突き出して固着する事
もないのです。



写真の一番下は、フォトショップを使って2分割式を再現しました。スプリングの受け(矢印)が、先端側に
あり、リターン・テンションはこちらに掛かっているのです。写真一番上は一本物ですが、これはスプリン
グが後方の太い側に掛かります。なので先端が折れると、写真中のように細い先端にはスプリングのテ
ンションが掛からず、スプリング内部を潜って前方に突き出してしまいます。そしてハンマー打撃、或いは
発射反動の慣性によって、ブリーチフェイスから突き出して固着してしまうのです。


>質問2
不完全閉鎖にてハンマーがファイアリング・ピンを打撃する事はありません。私が知る限り、全ての自動
小銃に設けられる機能です。既に述べましたが、不完全閉鎖で撃発すると大惨事になるからです。以下
の写真を見れば、その機能は一目瞭然と思います。


↓の写真は閉鎖状態です。



銀色のがボルトで、その中の小さい四角がファイアリング・ピンです。この状態では、ハンマーがファイア
リング・ピンを打撃できます。


↓これは何らかの理由でキャリアーが5mm手前で停止した状態です。ボルトの方は、レシーバーに落
ち込んで閉鎖されているので、発射されても大丈夫ではあるのですが・・・




↓御覧のように、ハンマーはキャリアの後部に当ってファイアリング・ピンを打撃する事ができません。



ボルトの不完全閉鎖どころか、キャリアーが完全に前進しない状態でも、発火は出来ないのです。念の
為に付け加えますが、殆どのガス・オペレーテッドにてキャリアーには空走距離が設けてあり、ボルトが
閉鎖状態のまま、キャリアーは5〜15mm程後退します。その時点でも、この銃はハンマーがファイア
リング・ピンを叩けないようになっていると言う事です。


↓ボルトとレシーバー間にシクネス・ゲージを挟み、意図的にボルトを不完全閉鎖の状態にしました。



当然ですがキャリアーは前進できず、1センチ近く手前で停止しました。勿論、ハンマーはファイアリング
・ピンを叩けません。



細かい構造は違っても、全ての自動小銃に、この機能は与えられています。オートマチック・ライフルに
閉鎖不良は付きものですからね。その度に大惨事になっていたら大変です。




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  ライフルに関するFAQ67

Gun誌のレポートで九二式実包徹甲弾が紹介されていたが、詳しく教えて欲しい。ウィキペディアなどで
は弾頭重量162グレインとあるが、実際のところはどうなのか?また、パウダーの量なども、実際のとこ
ろが知りたい。



  答え

私も興味があって、一発はバラして保管してあります。弾頭重量は、実測値で161グレインでしたね。
パウダーは、一般的な形状の物が46グレイン入ってました。

ブレットも分解(カット)しようかと考えましたが、勿体無いので中止しました(笑)。内部に間違いなくスチ
ールコアがあります。


当方の資料によると、徹甲弾はブレットとケース境目に黒いペイントがあり、それは確認できたのです
が、プライマーには3本のカシメがあると言うのは確認できませんでした。その代わりプライマーの外周
に円形のプレス痕
があるのですが、このようなタイプも存在したのだと思います。


そんなわけで、ウィキペディアのソースが何か不明ですが、162グレインと言う記述は間違いではない
と思いますよ(1グレインは誤差?)。








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  ライフルに関するFAQ68

ガス・オペレーテッドの銃で、ピストンはボルト・キャリアーを少し押してロッキング解除だけを行い、その
後はボルトがバレル内圧力によってブローバック作動すると言う説がある。25番の雑記でも、「ガス・オ
ぺは閉鎖解除だけ行い、その後はブローバックではないか?」とあったが、実際はどうなのか?




  回答

答えの前に、私が疑問に思ったのは、「〜ブローバックではないか?」ではなく、反動の余力で後退して
いるのではないか?ですね。
別ページでも述べますが、これについては感覚的に「違う」と判断しており
ますが、検証は難しいのでハッキリした確証には至っておりません。ですが、ブローバック作動でない事
は確かだと思います。

実射テストで実験したのでこちらのページにどうぞ。

そんな感じでした。いずれ、ショートストローク・ピストンのM1Aや、超ショート・ストローク・タペット・ピスト
ンのM1カービンなどでも試してみたいと思います。

  追加実験

M1カービンとAR15で試してみました。

結果はこちら



  追加実験2

M1Aを使って、ガスピストンの打撃力がどの程度なのか、実験してみました。

結果はこちら

  結論

既に述べましたが、私は以前から、「もしかすると、ボルトの後退には、反動の余力も幾分作用しているの
では?」と疑問がありました。例えば、同じ2丁の銃を対向させてならべ、ピストンを逆方向に繋げたとして
(こんな感じ↓)、

Aの銃を発射して、Bの銃(発射していない)は完全作動するか?と言う事です。ですが今回の実験で、ボ
ルトは100%ピストンの打撃力で作動可能であると確信しました。これだけのパワーがあれば、Bの銃は
余裕で完全作動するでしょう。

勿論、ガスの取り込み量によって、ピストンの力は変化し、どの程度の力を与えるかは設計者次第ですが、
導入したガス圧で作動可能なものを、敢えてリコイルやボア・プレッシャーを併用する理由がありません。
従って、「ガス・オペレーテッドは、バレルから導入したガス圧で完全作動している」と言うのが、私的結論。









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  ライフルに関するFAQ69

AR15系の直噴式のガスシステムは、その作動にピストンとシリンダーを用い、リュングマンAG m42
とは異なる。AR15の場合、「リュングマン・システム」ではなく、「ダイレクト・ガス・インピンジメント」と呼
び、分類すべきではないか?



   回答

この質問は、以前のライフルに関するFAQ56でも取り上げています。今回は、FAQ56への補足も含め
て回答します。

先ず呼称についてですが、確かにAR15はAG42と異なり、大容量のガス拡張室を持ちますが、その作
動は、基本的にAG42やMAS49と同じです。したがって両者はカテゴリー分けされておらず、名称も共
通です。つまりダイレクト・ガス・インピンジメントと言う呼称は、AG42でも正解であり、MAS49でも、A
R15でも正解なのです。

リュングマン式と言う呼称は、リュングマンAG42がダイレクト・ガス・インピンジメントを一般に知らしめた
ので、その呼称が使われるようになったのです。前述のとおり、このシステムはAR15だけ別扱いはされ
ておらず、共通とみなされているので、AR15やMAS49を「リュングマン式」と呼んでも間違いではあり
ません(MAS49については、回答最後の余談も参考に)。

恐らく、呼称も含めてAR15のシステムを別の異なるシステムと考えたい理由は、ピストン形状に成型さ
れたボルトと、まるでピストン・リングのような(役割も同じ)ボルト・リングを備えるためと思います。確か
に、AR15の開発者であるストーナーはこの部分の特許も取得していますが、基本的な「ガスをボルト・
キャリアまで導き、閉鎖空間で膨張させ、ボルト・キャリアーを後退させる」と言うプロセスは、他と違いは
ないのです。

この辺について、図を作成したので別ページにどうぞ。

別ページ

そんな感じです。念を押しますが、後半の「AR15が異なる理由」は、あくまでも私的な推察です。あまり
安易に「私的新説」をブチ上げると、後で揚げ足をとられるので慎重に・・・(笑)

余談ですが、このシステムのパイオニアは、AG42のスウェーデンではなく、MAS49のフランスなんで
すよね。その歴史は20世紀初めのロシニョールまで遡ります。MAS49を「リュングマン式」と言うのは、
ちょっと腑に落ちない気もしますね。フランス人が怒る?(笑)。







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