トカレフTT33

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50年近い制式採用歴を持つ優れた軍用拳銃ですが、日本では犯罪に多く使用されたため
すっかり悪名高くなってしまった可哀想な銃です(そう言った銃は本家ではなく中国製だと
思いますけどね。いずれにしてもいい迷惑)。また、同時にこのトカレフが、ボディ・アーマーを
貫通する特殊な銃、などと報道されていたようですが、それは一寸違います。防弾ベストを
貫通するのは特殊な弾頭であり、トカレフは、たまたまその弾頭を発射した銃にすぎません。
つまりその弾頭を発射するなら警察のニュー・ナンブでも自衛隊の9mm拳銃でも、ベストの
貫通は可能です。

その弾頭とは「アーマー・ピアシング」等と呼ばれる貫徹弾頭で、タイプは様々(*)ですが
トカレフに使用されたのは、共産国で多く作られるスチール・コアが内蔵されたものだと思い
ます。アメリカにも一時輸入されましたが、現在はご法度です。以前、7.62×39弾(AKや
SKSの弾薬)のスティール・コアをテストしたことがありますが、自動車のフライ・ホイール
(厚さ約2.5cmの鋳鉄製)を1発でブチ割ったのには驚きました!また、極めて変形し難い
ので、ケブラーなどの緩衝素材オンリーの防弾チョッキならば、拳銃弾でもスッポリ貫通して
しまいます。もっとも、現在はボディ・アーマーも改良され、トカレフのスティール・コア入り
弾頭程度ならば止めてしまう様ですね。ケブラー素材だけの防具は、既に過去の物と言った
感じでしょうか?・・・で、そうかと思えばFN-P90の様な弾薬が出てみたりと、この世界は
イタチゴッコ・・・

(*) 38や9mm等には、KTWと言うテフロンコートされた総真鍮製の弾頭がありました。
(今もあると思うけど)市販はされていません。

と、言う訳で、これは後のページで詳しく述べますが、ボディ・アーマーを貫通するか否かは
銃そのものでは無く、弾薬の弾頭部分の構造に左右される場合が殆どです。弾頭の構造を
抜きに考えれば、トカレフの弾薬(7.62×25弾)自体は極普通の拳銃弾に過ぎません。
当時としては高初速ですが、現在の357SIGあたりと比較すれば可愛いもんです。


追記
トカレフ弾は 7.6×25 では? と言うご指摘がありましたが、様々な書物には7.6
×25とされています。7.63と言う記述は見た事がありません。恐らく、30マウザー弾薬の
7.63×25
と勘違いしているのでは?両者は数字の上では異なりますが、殆ど同じ仕様で
C96マウザーとトカレフ間での共用が可能です。





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