その他のFAQ31

銃弾は地面に落下させた程度で発火するのか?

発火するならば、どういった条件が必要なのか?


  答え

実験してみましたので、こちらへどうぞ。
コチラ



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  その他のFAQ32

@
このサイトに「コンペンセイターは効果の良否に差がある」的な記述があるが、もしコンプを選ぶ
場合、良いコンプの見分け方があるか?

A
M1911系のお手軽カスタム・パーツに【ブッシング・コンプ】があるが、実際の効果は?

B
カッツコンペンセイターとは、チャンバー(リストラクター)式コンプを指す用語なのか?ポート式
(ボアに直接穴を開けたタイプ)には、何か他の呼び名があるのか?


  回答

@
デザインは多種多様なので、それぞれに詳しくは説明し切れませんが、基本的にリストラクター
(バッフル板)に開けられたブレット通過の穴が、ブレット径になるべく近い事が望ましいです。
つまり、穴をギリギリで通過すると言う事です。そうする事で、ブレットとマズル・ブラストを確実に
分断し、ブレットは前進、ブラストだけがリストラクターに当って、パウダー質量が移動する作用・
反作用が相殺(100%には程遠いが)される訳です。

手元に良い例があるので、写真で紹介します。ブレットとコンプ内径の差、そしてコンプ部分の
肉厚の差
に注目して下さい。



左は悪い例→SA社M1Aの銃規制対策コンプ(効果は殆ど無い)

右は良い例→スミス・エンタープライズのM1A用コンプ(結構利く)

スプリングフィールド社の名誉の為に付け加えますが、このインチキ・コンプは、「フラッシュハイ
ダー禁止」と言う、マヌケな銃規制を回避する為の対策品です。つまり、形状を少し変えた物に
改装し、「これはフラッシュハイダーでは無く、コンペンセイターなのだ」とした訳です。真面目に
効果を考えて造った物ではありません。ちなみに、フラッシュハイダーとは、その名の通り、マズ
ルフラッシュを隠す(減らす)為の装置で、コンペンセイター(マズルブレーキ)とは異なる物です。
2つを兼ね合わせた物もありますが(64式小銃など)、役割と構造は分けて考えて下さい。



A
回答@で述べた通り、この理屈から考えれば、自ずと答えが出ますね。



B
開発者の名前が由来の商品名です。確か「カッツ大佐」だっけ?元々は軍用に開発したコンプ
でしたが、散弾銃用に可変チョークと組み合わせてライマン社より発売し、ヒット商品となり有名
になりました。日本でも「カッツコン」などと呼ばれて、マズルブレーキの代名詞になっています。
カッツコンペンセイターは、確かにリストラクター式コンプですが、これは商品名、或いは愛称で
あり、形式を指す名称ではありません。この様なマズルブラストを銃に打ち当てる形式の「正式
名称」と言うのは、私は知りません。「リストラクター式」「チャンバー式」「バッフル式」等、色々と
耳にします。ボアに直接開口されたポート式も「マグナポート」等の各商品名で出回っています。
これらを総称すれば「マズルブレーキ」であり、そこから幾つかに枝分かれする感じです。

余談ですが、マズルブラストを処理するリストラクター式は、初速には全く影響しません。形状が
適切ならば(クラウン含め)、命中精度にも一切影響しません。
現代狙撃銃の多くが、このタイプ
のコンプを採用しています。ボアに直接開口したポート式は、開口位置によっては初速が若干
低下し、またブレットがボアを通過中に作用してしまうので、銃の支え方によってはLOSに対し
LODが、その都度変化してしまい、命中率(銃の精度ではなく、ヒューマンファクターによる)に
影響を及ぼします。

LOS→(ライン・オブ・サイト)照準線
LOD→(ライン・オブ・デパーチャー)発射時のボアライン



さて、例によって一言余計なコーナー(笑)
@の理屈から考えて、自衛隊の「9mm機関けん銃」なる物の「制退器」(自称)の効果も、伺い
知れるかと思います。あれはまあ、フォアアームに置いた手が、万が一にもマズルの先に周ら
ない為の安全策と考えるべきなのでしょうが、「効果的なコンプ!」等と見栄は張らないように。
原理を蔑ろに形だけ真似る姿は、孔雀の羽を沢山付けたカラスの様です。合掌。



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  その他のFAQ33

銃軸線と射手が支える点を近くした直銃床ライフルや競技用ピストルなど、その利点は分かる
が(マズル・ジャンプの低減)欠点は無いのか?無いなら何故全ての銃を、斯様なデザインに
しないのか?

マテバ モデル2006M の解説にて、「銃軸線を低くして命中精度を上げる」とあったが、何故
命中精度が向上するのか?

たかひろ注: マテバについては【ハンドガンFAQ】コーナーかと思いましたが、銃軸線とマズル
ジャンプに関する事として、こちらで一括します。

  答え

先ずマテバの件ですが、これは説明不足と言うか・・・(笑)、実際は連射した場合の命中精度
向上ですね。要するに、マズルジャンプが抑えられる為、次弾発射までの再照準が容易に行え
る結果、集弾性能が上がると言う訳です。但し!これはあくまでメーカーの能書きで、実際には
そう単純には「良い事ずくめ」ではありません。これについては以下・・・

銃軸線と射手が支える点(ストックやグリップなど)を近くすると、確かにマズルジャンプは減りま
す。反作用は本来、ブレット進行方向と真逆(つまり真後ろ)に発生します。それを支える点が銃
軸線よりも下にある為、マズルは上に跳ね上がる訳です。なので銃を逆さに持って撃つと、マズ
ルは下方に跳ね、横に倒せば横に跳ねます。つまりマズルジャンプは単に力学上の動きであり、
それを減らした所で、反作用の力そのものが軽減される事はありません。

ですからマズルジャンプをゼロに抑えた場合、ジャンプしなかった分の動きが、真後ろに伝わる
訳です。感覚的に言うと、「関節にガツンと衝撃するリコイル」に変化します。マズルジャンプと言
うと、百害あって一利なしの様に思われますが、「リコイルを逃がす」と言う重要な役目もある訳
です。
銃軸線と支える点が一直線のデザインは多くが競技用ですが、それらの弾薬は弱装の
物が多いので問題ありません。フルサイズのライフル弾薬を軽量の銃から撃つ場合や、マグナ
ム・ハンドガンなどの場合、マズルジャンプは程好くあった方が良い事になります。

M14ライフルがフルオート時の制御性で苦労した話は有名ですが、試行錯誤の改良?の中に
直銃床化された物もありました。しかし弾薬が強くて銃が軽量(一般的重量)なら、いくら銃軸線
と支える点を近くしても限界があります。5.56mmのM16と直銃床の組み合わせは成功しまし
たが、それは銃床デザインよりも弾薬によるところが大だと思います。G3や64式なども、ほとん
ど直銃床ですが、7.62mmNATOをフルオートで続けて3発以上集弾させる事は困難です。

もう一つ、超精密射撃競技等に於いては、マズルジャンプは連射時の制御性だけでなく、弾道
にも影響を及ぼします。これはつまり、パウダーが燃焼を始めてから、ブレットがマズルを離れる
までの、所謂、「極初期の反動」です。この時期に銃が不規則な動きをしない為に、銃軸線と支
える点を近くする有効性はあります。但し!マズルジャンプを軽減したからと言って、動きが規則
的になると言う理屈ではありません。一定の動きをしていれば、マズルジャンプしようと、真後ろ
に後退しようと構わない訳ですからね。これについては、未だ私も完全には理解していません。
なのでどちらが良い(マズルジャンプか?真後ろか?)かは、単純には答えられません。例えば、
私は以前スタイアーのマッチFPと言う銃を使った事があります。
赤矢印がチャンバー位置(装填口)



御覧の通り見事なまでの一直線ぶりですが(笑)、前述した「関節にガツンと衝撃するリコイル」
によってフィーリング(初期反動の制御性)はイマイチでした。これは他の選手も同じ様な意見が
多かった様で、今は普通のデザインに戻してしまったようです。

結論として「銃軸線と支える点を近くするのは全ての銃に有益とは限らない」と言う感じかな・・・


余談
マテバと言えば・・・「トグサく〜ん!」攻殻機動隊は面白かったね〜!でも何で「マテバ」なの?
某ヨーロッパ在住の銃器評論家に影響されたのか?そんなマニアックなの使ってりゃあ、そりゃ
弁護士にも突っ込まれる罠(←タチコマ談)。



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  その他に関するFAQ34

@
その他のFAQ32(↑)にて、コンペンセイターのデザイン良否について書かれていたが、弾薬
との相性と言う点では、どう言った理屈の上に、どのような良し悪しがあるのか?以前の記述に
「軽量弾を高圧で飛ばしてコンプを効かせる・・・云々」あったが、では重量弾とコンプの相性は
悪いと言う事なのか?

A
キャリバー.50のバーレット(コンプ付き)と、30−06ライフル(コンプ無し)のリコイルに大差が
無いという話を聞いたが、これは本当か?当サイトでは「コンプはリコイルの数割しか削減する
事は出来ない」的な記述があるが、だとすると、コンプ付きバーレットが30−06のリコイルと
大差なくなると言う事は信じられないが?



  答え

@
以前何所かで説明しましたが、コンペンセイター(リストラクター式)がリコイルを軽減する理屈を
考えれば、答えは簡単です。銃の反動(弾薬の反作用)と言うのは、ブレットとパウダーが飛ば
される(前進作用する)反作用です。もしも、発射したブレット&燃焼ガスを銃が即座に受け止め
れば、相殺されて反動は無くなる筈です。しかしそれではブレットは飛ばず、銃ではありません。
では、燃焼ガスはどうでしょう?燃焼ガスはバレル内部でブレットを加速させる事で、役割を終
えていますから、マズルを出た燃焼ガスは受け止めても差し障りありません。そうする事でパウ
ダーの反作用だけ削減でき、実際の反動はブレットが飛んで行く反作用だけになります。これが
リストルクション・コンプの理論です。ポート式等は、また少々違った理屈になりますが、マズル・
ブレーキと呼ばれる物の大半がこの理屈です。

その点から考えると、コンプと相性の良し悪しは、ブレット・ウェイトの大小ではなく、パウダー・ウ
ェイトの大小が鍵となってきます。つまり、軽量ブレットを大量のパウダーを使って高速で飛ばす
弾薬が、最もコンペンセイターと相性の良い弾薬と私は考えます。軽量ブレットでも高初速で飛
ばせば、マズル・エナジーやパワーファクターは補えますからね。逆に相性の悪い弾薬は、重量
弾を少量のパウダーで飛ばす弾薬(例えば45ACP)となります。IPSC競技で、選手が45から
38スーパーに移行した理由は、その辺の事情も大きいと思います。とは言え、低速重量弾にも
メリットはある訳ですから、コンプの効率だけを考えて軽量高速化に偏るのは良くないでしょう。

さて、一つ付け加えますが、コンプが高圧ガスを受け止めると言っても100%キャッチ出来る訳
ではありません。巨大なチャンバーの様な物をマズルに付ければ効率が上がるでしょうが、実用
性を考えれば、最小限の大きさとなってしまいます。そこで、ガスを後ろ向きにリターンさせたり、
色々な工夫が成される訳です。FAQ32で説明した「ブレットとマズル・ブラストを確実に分断」す
るのも、基本的な工夫の一つです。

A
バーレットは何回か撃たせて貰いましたが、確かに音と衝撃波の割に、肩にガツンと来る反動は
マイルドでした。拳銃で例えるなら、デザート・イーグルかな?キャリバー50も、大量のパウダー
を用いますから、@の理屈に当て嵌めれば、コンプの有効性は高い筈です。また、作動がオート・
マティックなので、ボルトが閉鎖解除直後にスプリングで緩やかに後退するのもマイルドな一因
でしょう。キャリバー50狙撃銃にはボルト・アクション式もありますので、そう言った機種はかなり
手強いと想像します。

さて、ここでもう一つ重要な点!それは銃の重さです。@で説明した反作用とは、あくまでも弾薬
の作用反作用の話であり、実際にそれ(反作用)が銃を介し、射手に伝わるまでには「銃の重さ」
と言う大きな要素があります。

これは説明するより例を挙げた方が早いかな?

質問
「44マグナム」と「357マグナム」(両者一般的ファクトリー・ロード)では、どちらの反動(反作用)
が強いでしょう?

答え
44マグナム

特にヒネクレた考え方をしなければ当然の答え。では、両者を実際に撃って比べて頂きましょう!
んで、目の前に出された銃が・・・

44マグナム→S&W M629 (8−3/8インチ・バレル 重量約53オンス)
357マグナム→S&W M340 (2インチ・バレル 重量約12オンス)

「聞いてね〜よ!」・・・ちゃんちゃん

面白く無かったですね。「聞いてね〜よ」ってのはもう古い?今は「そんなの関係ねェ〜」だっけ?
まあ、つまり銃の重量によって射手が受けるリコイルと言うのは変動すると言う事です。その他、
グリップ形状や、銃軸線と支点とのズレ(直銃床、曲銃床)などの要素も影響します。また、実際
に射手が受けるリコイルの強弱と言うのは、人によっても感想が異なります(慣れなどの精神的
理由も含め)。

ちょっと脱線しましたが、バーレットと30−06ボルト・アクションでは、弾薬の強弱の他に今説明し
た銃の重さ、作動方式も全く異なります。両者のリコイル強弱を同一線上で論ずる事は無意味に
等しいです。只単に「この銃のリコイルを他の何かに例えるなら・・・」と言った表現方法であれば、
確かに両者は近いかもしれません。しかしそれはコンプの有無の他にも、前述した様々な要素が
複雑にプラス・マイナスしあっての事だと言う点をお忘れなく。




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  その他に関するFAQ35

@ローラー・ロッキング(フル・ロックではなく、ディレードの方)の原理が今ひとつ分からない。

Aロッキング・ローラーは、単に抵抗となるテンションを掛けているだけなのか?構造的にロッキン
グ・ピースを押し出す関係を持たせた意味は特にあるのか?単にローラーに強いバネ圧を掛けて
も同じ結果(ディレード効果)になるのでは?


  答え

@ディレイの必要性については省きます。ローラーにてディレイを行う仕組みは、下のイラストを
御覧下さい。



ポイントは「ローラーの引っ込み」そして「ロッキング・ピースの傾斜(ローラーが当っている部分)」
です。この2点に注目下さい。

この原理を一言で説明すればBの「傾斜に沿った絞り出し効果」ですね。これがローラーを用いる
ミソです。ローラーが傾斜を転がる理屈を、逆にローラーを転がして(押し込んで)傾斜を搾り出す
訳です。この方法で優れているのは、ロッキング・ピースの傾斜(ランプ)角度を変える事によって
抵抗値を自在に変えられる
点です。つまり傾斜を緩くすれば強い力が必要ですし、傾斜を急にす
れば弱い力で押し出せます。解説によっては押し出し量(ロッキング・ピース移動量)の観点から
説明されますが、私は逆だと思います。傾斜の大小でロッキング・ピースの押し出し抵抗を変える
事が肝心要であり、押し出し量は2次的な作用と思いますね。

上記の赤字に追記
HK社では、実際に開放タイミングを変える方法として、ローラー側の直径を変える事によって抵抗
値を調節しているようです。いずれにせよ、この部分(ローラーと傾斜)を変化させる事によってディ
レイ具合を調節出来ると言う事。






Aつまり、こう言う事ですね↓


確かにディレイに関してはこれでも同じ効果が得られるでしょう。しかし他に大問題が起きます!

「そんな強い抵抗があるボルトを、どうやって射手が引くか?」

ディレイド・ブロウバックを設計する上で難しい点は「ボア・プレッシャーを抑える程、ボルトの後退に
抵抗力を持たせた上で、射手が操作する時には軽く操作ハンドルを引けなければならない」この点
にあると思います。これが「構造的にロッキング・ピースを押し出す関係を持たせた意味」でしょう。

もう一度、最初のイラスト(カラーの)を見て下さい。ロッキング・ピースとキャリアは一体となっており、
ロッキング・ピース側(弾薬側)から押し下げようとした場合、先に説明した強い絞り出し抵抗があり
ますが、キャリア側から引っ張った場合、ロッキング・ピースの傾斜は予め引っ張られる訳ですから
「強い絞り出し抵抗」は無効となってしまいます。つまり弾薬側からはディレイド抵抗が掛かり、ハン
ドル(キャリア)側から引っ張れば、それは掛からないと言う訳。これはトンプソンM1921のHピース
式なども同じ理屈です。




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  その他に関するFAQ36

インチ表示の口径は小数点を付けるべきなのか?省略しても良いのか?或いは省略して良い時と
悪い時などが決まっているのか?




  答え

米国では省略される事が多いですね。例えば弾薬ですが、手持ちのをざっと見渡しても、省略された
のが多いです。弾薬に関しては決まり事は無いみたいですね。フェデラルなどは、本家は省略してあ
り、分家のアメリカン・イーグル(中身はフェデラル製)は小数点付きです。

参考写真

通常、銃や弾薬を扱う人間でなくとも、「拳銃の口径が45」と聞いて「45インチもあるんだァ」とは思
わない筈です。常識的に考えて4.5インチとも思わないでしょう。なので省略しても構わないのだと
思います。車で例えれば「スカイライン2000tGT」と言わないのと同じ?

但し、銃のスペックや設計関係などの正式書物的な物は省略しない事が多いです。個人的には、単
に口径のみ示す表示ではなく、弾薬の名称を含む場合などは小数点を付けません(例:30−06)。



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  その他に関するFAQ37

@
ショートリコイルの銃は、ブレットが射出されてボア内圧が低下するまで、バレルとスライドを結合して
おく訳だが、もしもそれを20インチ程のロング・バレルに改造した場合、ブレットがボアを通過する
時間は増す訳だから、早期にロッキングが解除される恐れは無いのか?M1911用のロング・バレ
ルなどを良く見かけるが・・・

A
ショートリコイルでは、バレル内を前進するブレットがバレルを前方に押している訳だから、スライドを
後ろに押す力と相殺されて、スライドの後退力が殆ど発生しないのではないか?ブレットがマズルを
離れた時、その力の均衡が破られて、スライド&バレルが本格的な後退を始めるのではないか?
だとすれば、@の問題は回避される筈だが。そう言う理屈ではないのか?

B
ブレットは狭いボアを強引に前進する訳で、エアガン等と比較にならない程の抵抗がある筈。なので、
ブレットが最も速くなるのは、マズルを離れて抵抗から開放された瞬間ではないか?@Aの理屈と
辻褄も合う筈だが・・・?



  答え

回答の順番を違えて、BA@の順で説明します。

B
ストローにティッシュをキツク詰めて息を吹くと、ゆっくりとストロー内を前進しながら、抜け出る瞬間に
「ポン!」と飛びます。質問は恐らくそんなイメージだと思うのですが、銃の場合は全く違います。パウ
ダー(プロペラント)は、ある程度の抜弾抵抗(ケース・クリンプの他、ボア通過抵抗含め)がある事を
条件に完全燃焼しますので、実際はルーズ・ボアよりタイト・ボアの方が初速は上がります。一般的な
拳銃弾ですと、ブレットが2インチ程度前進した地点で、実用初速まで加速されると言われています。
そして、その後はバレルが長い程(常識的な長さの範囲で)初速は上がります。ライフルなどは、パウ
ダーの燃焼速度の関係で、ある程度以上のバレル長さを要求されるくらいです。つまりバレルを通過
する抵抗は、初速の低下に全く繋がらない・・・と言うか逆に初速増加に繋がるくらいです。ブレットが
最高加速度まで上昇するのは、極僅かな例外(超短銃身の場合、マズルを離れた直後も加速を続け
る場合がある・・・らしい)を除き、ボア内部を前進中です。マズルを離れた瞬間に加速されると言う事
はありません。

・・・そう言えば、大昔の漫画でコルト・ウッズマンのバレルを切り詰めて、「抵抗が減るから弾速が上
がって威力が増える!」みたいな描写があった気がしますが、そう言うのは漫画の中の話ですね。


A
「スライド(ブリーチ)に掛かる後退力が殆ど発生しない」と言う事は、作用・反作用の点から考えれば、
ブレットにも前進力が殆ど発生していないと言う事になります。ではブレットは何時、秒速数百メートル
まで加速されるのか?Bの理屈をくっつけ、ブレットがボア通過中は殆ど加速せず、マズルを離れた
途端に秒速数百メートルになると言う事?それは有り得ません。しかもショートリコイルの場合、ブリー
チとバレルは結合状態にある訳ですから、バレルは前に押されるどころか、ブリーチ諸共後ろに飛ば
される理屈になります。バレルが前に進むのは、ロッキングの無いブロウ式(カテゴリー違い)です。


@
諸条件ありますが、殆ど大丈夫です。とは言え、ABの理由からではなく、単にバレルが長さに比例
して重くなるからです。バレルが長くなって重くなれば、スライドを含めた動きも鈍くなり、当然ロックの
解除も遅れると言う訳。バレルが長い方が初速は増加するので、その分反動も強く・・・とも考えられ
ますが、それよりも重くなったバレルの方が分が強いのでしょうね。下手をすると、早期開放どころか
後退不良(重過ぎて)の方が心配かも?IPSCで使うコンプ付きレースガンも、コンプ効果による反動
低下と共に、バレルに錘が付く事によるスライド後退不良が必ず起るので、リコイル・スプリングを弱く
する必要があるのです。



追加回答FAQ40↓




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 その他に関するFAQ38

射撃用語にて、フリンチングとはトリガーをガク引きして着弾が下がる事を言う(指す)のか?それとも
反動に恐れて、発射の瞬間に身体が萎縮して、着弾が下がる事を言うのか?或いは、それら両方の
意味を含めた言葉なのか?



 答え

トリガーのガク引きと、身体の萎縮は、全く異なる症状で、名称も別々です。

●トリガーをガク引きする事は、「ジャーキング(ジャーク)」と一般的に言います。
●トリガーを引いた瞬間に、身体が萎縮して無意識に動いてしまう事が、「フリンチング」です。

ジャーキングは最も初歩的なミスで、狙いが定まった瞬間に「今だ!」とばかりに、トリガーを引いてし
まい、結果的にブレットが射出される僅かな間に、銃が動いてしまう訳です。このサイトを御覧の方々
には説明するまでもありませんが、ブレットが射手の手から離れるのは「トリガーを引いた瞬間」では
ありません。なので、トリガーを引いた後も、暫く狙いを定め続けなくてはいけないのです。

但し、必然的にジャーキング的なトリガー・ワークとなってしまう射撃もあります。クレー射撃やコンバ
ット・シューティングなどです。これらはジャーキング的な引き方をしつつも、狙いに影響を及ぼさない
事を前提(必然事項)としていますので、初心者のジャーキングとは根本から異なり、それらのトリガ
ー・ワークを「ジャーキング」とは称しません。



フリンチングは、「反動に対して身体が萎縮する〜」などと言われますが、原因は反動だけではなく、
例えば、「この1発だけは絶対に外せない!」と言った様な、極度の緊張状況下でも発生します(反
動とは無関係で)。射撃競技を行う人なら、一度は経験がある筈?私も苦労しました。他に、狙撃手
が初任務に就く場合なども、あり得るでしょう。要するに、トリガーを引く事が「ストレス(恐怖)」となっ
て、身体がそれを無意識に拒む訳です。しかし、頭(脳)はトリガーを引く事を命じますから、その鬩ぎ
合いが崩れた瞬間(トリガーを引いた時)、身体が「ビクッ」と動いてしまう(動き方に決まりはなく、人
それぞれですが、多くは銃を前方に押し込む様な動きをする)のでしょう。

この様に、フリンチングは初心者からベテランまで幅広く起こり得ます。癖になってしまうと、取り除く
のは非常に困難です。また、ジャーキングはクレー射撃やコンバット・シューティングには然程関係
ないと記しましたが、フリンチングは両者にも同様に影響を及ぼすと思います。クレー射撃の場合、
「引き止まり」などの現象は、一種のフリンチングによって起っていると私は考えます。

フリンチングで厄介なのは、症状が起った次の瞬間、銃の反動でかき消されてしまうので、自覚症
状が得られ難い点です。例えば、空撃ち練習の時はフリンチの気配など微塵も無くても、実弾を発
射した瞬間に発生してしまい(身体は正直ですからw)、尚且つ、その自覚症状が得られ難いので、
「何故当らないんだ?」となってしまう訳です。私が居た体育学校では、訓練期間当初、リボルバー
(S&W K22)の弾薬を教官が装填し、それを訓練生に「5発入れたから、標的に射撃しなさい」と
手渡されます。しかし実際は、空薬莢と実弾がランダムに入れてあるのです。当然、不発が起こり
ます。その瞬間、訓練生のフリンチ癖を見極めるのです。射手は弾が出るつもりでトリガーを引き
ますから、フリンチ癖があれば途端に出現、しかし実際には不発なので、銃がグラリと動く「恥ずか
しい瞬間」がモロ見えなのです。非常に姑息な手段ですが(笑)、実に効果的です。

上記の様な「騙し行為」は、然るべき統制のとれた場所でなければ、危険行為の一つなので真似は
しないで下さい。もしも偶然、射撃中に不発が起こったら、それは格好の機会と考えて下さい。その
時(不発が起こった瞬間)に、銃が微動だにしなければ、貴方は「フリンチ菌」に冒されていません。
おめでとうございます!残念ながらモロに動いちゃった貴方は、ここに来て懺悔しなさい。



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  その他に関するFAQ39

リコイル・オペレーテッドの銃では、バレルにブランク・アダプターを付けても空包で作動しない理屈
は分かるのだが、自衛隊の演習などで、ブローニングM2機関銃などを空包で作動させているのは
どの様な仕組みなのか?




  答え

「ブロウバックやガス・オペレーテッドの銃が、バレルにブランク・アダプター(チョーク)を付ければ空
包で作動するのに対し、リコイル式では同様にしても作動しない」この理屈については、過去何度も
説明しているので(質問の本質でもないので)省きます。

で、リコイル式の銃を空包で作動させるには、フレーム側に繋がったチョークを、マズルに蓋をする
感じでセットします。こうする事で、リコイル作動からガス圧作動(もしくはブロウバック作動)に変換
された訳ですから、空包での連続射撃が可能になります。

図にしてみました(図は理屈を説明する為のイメージです。「細部形状が異なる」等のツッコミ不用)

Fig1は、通常のステージガンなどに多用されるブロウバック式。バレルにチョークを設ける事で、リ
コイルが無くとも作動します。しかし、リコイル式の銃はロッキング機能があるので、Fig1では作動
しない事になります。リコイル式はあくまでも、ブレットが前進する反作用でなければ作動しません。

Fig2は、前述した方法で、フレーム(或いはレシーバー)に固定されたチョークを、マズル付近に設
けた図です。自衛隊のM2機関銃や、映画などに使用されるM2は、この様な仕掛けが見当たりま
せんが、恐らく、バレル・サポート(バレル外側を囲った、冷却穴の付いたパイプで、これはレシーバ
ーに固定されている)あたりに細工を仕掛けてあるのだと思います。いずれにせよ、レシーバーに
固定されたチョークで、バレルを作動させる理屈は同じです。

Fig3は作動したところです。要するに、バレルとブリーチをロックさせたまま、レシーバーとの境目を
起点にブロウバックさせてやる訳です。ショートリコイル拳銃のロッキング・ラグを無くして、バレルと
スライドの境目を基点にブロウバックするように改造したステージ・ガンと、同じ手段と考えて良いで
しょう。





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  その他に関するFAQ40

その他に関するFAQ37(↑)にて、「ブレットはボア前進中に最大加速度に達する」とあるが、
やはりマズルを離れた瞬間に抜弾効力から開放され、初速も反動も最大になるのではないか?





  答え

(この質問&答えはFAQ37へ追記として載せようと思いましたが、キリがいいので40にします)

図に描いてみました。

図Aですが、チャンバーの先にはスロートとライフリング・リードと言う、ブレットをボアに喰い込ま
せるエリアが存在します。ブレットの通過抵抗は、このスロートによってブレットがボア径まで搾ら
れ、更にライフリング・リードに喰い込む瞬間が最大となります。図では、C の状態です。

D 位置まで進むと、ブレットはボアとライフリングにフィットし、鉛や銅のルブ効果も相乗し、抵抗
が一気に減ります。この時点の通過抵抗(ボアとの摩擦抵抗)が少ないのは、ブレットとボアの隙
間からガスが漏れる事からも察する事が出来ます。そしてボア・プレッシャーは、この辺りで最大
となります。一般に、ブレットが実用初速に達するのは(拳銃の場合)チャンバーから2〜3インチ
付近と言われていますが、エロージョンの発生ポイントやファウリングの酷いポイント等とも辻褄
が合うので、D地点までの間に瞬間的に加速される事は間違いありません。また、ツイストによ
るブレット回転と、バレルに返るバック・トルクも、ここまで来る間に一気に上昇します。

つまり、ブレットが最も大きな通過抵抗から開放されるのはマズルから離れた時ではなく、D の
位置であり、また、ブレットの加速度が最大になったこの瞬間こそ、反作用も最大になるポイント

です。その後はバレルが長いほど、ブレットの速度は伸びて行きます(バレル長さは常識の範囲
であり、パウダーの燃焼速度もマッチしていての話し)。

E はブレットがマズルを離れた瞬間ですが、スナブ・ノーズ拳銃や、燃焼速度の誤ったパウダー
でなければ、ブレットがマズル付近まで到達した時には、腔圧は既に低下しつつあります。そして
ブレットがマズルを離れると、腔圧は大気圧まで一気に低下。この時のマズルブラストには、ブレ
ットを加速させたり、銃を後退させたりする力はありません(チャンバー内に集めて作用させれば
何らかの仕事をさせることは可能ですが)。

また、既に述べたとおり、ブレットの通過抵抗はマズル付近では然程高くありません。発射された
ブレットを無傷で回収し(水の中に撃つ)、それを再度マズルに押し込んだ事がありますが、指で
押し込める程です。くどいですが、ブレットが最も大きな通過抵抗から開放されるのは、マズルか
ら離れた時ではなく D の位置です。更に、ブレットの加速度が最大になった時が、反作用も最
大になる時であり、そのポイントもまた 図 D の位置です。従って、コルク鉄砲やシャンパンの
蓋のように、口(マズル)から抜けた瞬間「ポン!」と加速する事はありません。同じ理由から
「バ
レル内を前進するブレットがバレルを前方に押している訳だから、スライドを後ろに押す力と相殺
されて、スライドの後退力が殆ど発生しない」と言う事もありません(FAQ37でも述べましたが)。


追記
自称「2ちゃんねらー」の方から、大変興味深い動画アドレスを教えて頂きました。スロー動画で
ブレットがマズルを離れる瞬間を撮影したものですが、リコイルはブレットがマズルを通過中に発
生しており、ブレットがマズルを離れた後に、リコイルが新たに加速されるような現象は見られま
せん。

消えてしまうかも知れませんがリンクしておきます。(悪趣味なBGMが流れるので音量注意w)

http://www.youtube.com/watch?v=G0VjdI_S_HM#t=1m7s

ジェット・イフェクト(エフェクト)・ガスも鮮明に映っています。理屈では知っていましたが、実際に
出て来る様子というのは初めて見ましたよ。スライドとフレームに方眼紙を貼ってあるので、もし
かすると、今回の様な問題を検証する為に撮影したのかもしれませんね。それにしても、こんな
動画を何所から拾って来るのよ!?ねらー恐るべし。(・∀・)マリタソー



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