M1A(M14)のピストン

これはM14のガスピストンですが、私の知る限りで、軍用銃のピストンに気密性の為のシールや
リングを装着した物はありません。ピストンとシリンダーのクリアランスは目視出来る程あります。
これは、ロッキングを解除(ボルト回転or移動)させるのに必要なガス圧が十二分に得られる為
気密性に気を使わなくても、全く問題無いからです。むしろ、圧力が強過ぎた時に、余分なガスを
排出する事の方が重要です。また、クリアランスが小さかったり、リングやシールを附属させると
数を撃った際に、汚れで作動不良を起こす可能性があります。

写真のピストンは上部の穴より、瞬間的に高圧ガスを取り入れ、それをピストン内の空洞部分に
圧縮ガスとして貯め込みます。ピストンが動き出すと、穴は直ぐに塞がれて、ガス導入は遮断され
ますが、既に空洞内に圧縮ガスが溜まっていますので、その力でオペレーティングロッドを作動
させるのです。こうすることで、必要以上のガスを取り込むのを防いでいるのです。

その他にも、規制子の穴の大きさで可変調整する物(自衛隊64式等)や、作動後に排出する物
(M1ガランド等)、それらを組み合わせた物、等があります。

ただし、シールがある銃も存在します。これは上記とは逆に、弱装弾を使用する散弾銃等です。
つまり、一部のガス利用ショットガンは、通常弾から競技用の弱装弾に切り替えた際、ピストンに
シールを装着しないと、圧力不足で作動不良を起こす場合(銃)があるのです。全てのガス利用
自動ショットガンでは無く、あくまでも一部ですが、散弾銃の世界ではシールは珍しくありません。

作動前

作動後

ピストンの突き出し部分には、ボルトキャリア(オペレーティングロッド)が接触していますので
これだけの突き出し範囲で、ロックを解除出来ます。後は慣性によってボルト&キャリアだけが
フル後退します。







M1ガランドのピストン

ちょっと順番があべこべの写真ですが、上から・・・・

ガスシリンダー

バレル

ピストン(オペレーティングロッド)

一番下がピストンですが、これにもシールの類はありません。(先端が少し太くなっているが)
また、この銃はピストンとオペレーティングハンドル(ボルトハンドル)が直結で、ピストンは
ボルトと共にフル往復?します。無駄が多いので、現在ではこの様な形式はありません。






M1カービンのピストン

ピストンと言うより、ピンですね(笑) これにもシールはありません。


作動前

作動後

これはM1ガランドとは真反対の、ショートストロークです。
この場合、ピストンはボルトキャリアを「押す」と言うよりも「叩く」に近いです。叩いたショックでキャリアが
後退する感じですね。この銃の.30カービン弾は拳銃弾と同等のエネルギー(357マグナム程)なので
このシステムが可能なのだと思います。小型軽量で場所をとりません。




さて、ここに挙げたのは一例で、他にもM16等のリュングマン・システム(ピストンが存在しない)も
一般的です。これらのデザインの違いは、使用弾薬の特性や、銃の作動システム等を考慮して
デザイナーが決定するのだと思います。しかし、現在のガスオペレーテッドでは、最初に紹介した
M14のシステムが主流と言えるでしょう。(リュングマン・システムは除いて)
少なくとも、シールやリングが存在しないのは何れにも共通します。それが在るのは一部の自動式
散弾銃のみ(現在私が知る限りでは)と言うことです。





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