ハンドガンに関するFAQ21

コンペンセイターを用いるIPSCレースガンでは、使用する弾薬(ブレット)はジャケット弾オンリーなのか?
鉛ブレットは危険なのか?コンプが詰まるのか?実際に使用している人はどの程度居るのか?

キャスト・ブレットは初速が上げられないと書いてあったが、どの辺が限界か?1000f/s以上?以下?




  答え

問題ありません。使えます。私は殆どジャケット弾は使っていませんでした。貧乏でした(です)からね・・・
但し、昔のいわゆる「鉛ダマ」と言うのとはちょっと違い、「ハードキャスト・ブレット」などと呼ばれるブレット
で、ファウリング(ボアへのこびり付き)を防ぐ為、材質やルブリカント(潤滑)に工夫がしてあります。

ハードキャスト・ブレット 500発で16ドル99セント(笑)

実際にリロードされた俺製弾薬↓



(この弾薬↑のケースは数十回使用してヨレヨレですが、殆どのステージで精度は全く問題なし!勿論
ジャムも無し。50ヤードクラスのステージでは、比較的新しいケースのリロード弾を選ぶ!・・・セコイ

確かにカパー・ジャケットに比べて、初速の限界は低いです。私が試した感じでは1200f/sを越えると
途端にファウリングが酷くなり、精度が極端に悪化しました。恐らく溶けてしまうのでしょう。
しかし、馬鹿げたプレッシャーで軽量弾を高速で飛ばし「何が何でもコンプを効かせて有利になるのだ!」
と言うのでなければ、普通に175PFは出せます。例えば当時の私のリローディング・レシピを見ると・・・

155gr RN ハードキャスト  アキュレート・アームズNo.7(8gr) 1135f/s 443ft.lb

これで十分ですよ。ちなみに、ちょっと古い本ですがビル・ウィルソン著のTHE COMBAT AUTOでは

155gr リッド(鉛)SWC アキュレート・アームズNo.7(7.8gr) −初速データ無し−

の参考レシピがあります。


>コンプが詰まるのか?
詰まりはしませんが、カスは溜まり易いです。なので、200〜300発程度でスクレーパー(マイナス・ドライ
バーでも可能)で削り落としてやります。コンプと鉛で硬度に差があるので、簡単にパリパリ剥がれます。
これを怠ると或いはブレットと接触する可能性はあります。もっとも、こう言ったケアは、どんな弾薬を使った
場合でも、シューターの義務ですけどね。手入れ不精はいけません。

質問とは少し異なりますが、例えばデザートイーグルなどは、ガスポートが詰まるのでジャケット弾以外は
禁止されていますね。その辺は各銃の取り扱い注意に従う必要があります。レースガンの場合も、それを
作ったガンスミスが「キャスト・ブレットは使うな」と言うのならば、従うべきです。バレルにポートが開いた
コンプの場合、物によっては不具合が出る可能性もあります。

まあ・・・ぶっちゃけ、お金があるのならば、そりゃジャケット弾を使うのが一番ですよ(笑)。お金持ちの方
は迷わずそうして下さい。


>実際に使用している人はどの程度居るのか?
まあ、これも上で述べたとおり・・・私も含め貧乏シューターは皆キャストでしたよ(笑)。何せ、練習も含めて
弾薬消費量が半端ではありませんからね。私の場合、競技にハマっていた頃は週末の練習で、この程度
撃ち切ってしまいました。
また、「練習用弾薬」と言う考え方は止めた方が良いです。これは他の競技でも
同じで、練習と試合に使う弾薬は基本的に同じにすべき。オリンピック級の選手は、弾薬のロット番号まで
拘ります。IPSCなどの場合、弾薬を変えた途端にジャムが連続したりと、ロクな事はありません。

もうひとつ、ブレットとは関係ありませんが、上で紹介した【俺製ヨレヨレ弾薬】も、ポイントを押さえ要所は
完璧にチェックしてあります。その辺、誤解無き様。例えばプライマー・ポケットの広がり、クラック、そして
ケース長や直径が許容範囲外になっていないか?一発毎にチャンバーに入れ(勿論、外したバレルで)
確認します。IPSCはブルズアイ競技と異なり、ジャムや不発での【撃ち直し】は認められませんから、この
辺は神経質にならざるを得ません。

追記
私は当時、サウスウェスト・ピストルリーグに所属してIPSCに参加していましたが、彼等は例えばケース
を拾い集めたり、上で話したキャスト・ブレットを使用するプア・シューターに対して、決して嘲る様な事は
しませんでしたよ。この辺がアメリカ人の良いところだなァと思いました(腹の底まではわかりかねるがw)。
勿論、ケースを拾う場合など、試合進行の邪魔になったり、他人のケースを勝手に拾う等の行為は駄目
ですけどね。日本でもIPSCなどのスピード・シューティングが盛んらしいですが、こう言った点は是非とも
参考にして欲しいです。

追記2
質問とは全く関係無いのですが、ついでなのでもう一つ・・・
キャストブレットは鉛公害の問題から、インドア射場では禁止している所があります(例/LAガンクラブ)。
リローダーはこの辺も注意した方が良いです。

追記3
キャスト・ブレットの限界初速ですが、44マグナムや357をリロードする際、パウダーメーカーの指定した
チャージでは1500f/sを越える物もあります。1600f/s越えと言うのは見た事がありませんねぇ・・・
精度等の点で、それがベストかは兎も角、この辺(1500そこそこ)がハードキャストの限界点でしょう。


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  ハンドガンに関するFAQ22

M1911A1を「ガバメント」と称するのは誤りか?単なる愛称なのか?




  答え

米軍正式のM1911及びA1でしたら愛称と言えるでしょうね。名称はUSピストルM1911(A1)です。
ですが、コルトの民間モデルなら名称で通用します。何たって刻印に打ってありますからね。ですから、
単に「ガバメント・ピストル」と言えば軍用M1911の愛称ですし、「コルト・ガバメントモデル」と言えば、
コルト製のM1911系の名称と言えます。かつて「米国の銃砲店で『ガバメント』などと言えば『官給品
は置いていない』と言われる」・・・云々の解説があったようですが、少なくとも私が行くガンショップでは
「ガバメント」だけでも通じますよ。まあ、前述のとおり「ガバメント・モデル」=コルト製なのですけどね。
「官給品は無い」などと無愛想な事を言うのは、言わんとする意味を知っていて意地悪されたのでは?

ところで、現在は様々なメーカーがM1911系の銃を造っていますが、これは「ガバメント」?私は違う
と思います。米軍とは関係無いしコルトでもありません。個人的にM1911のクローン系の銃を総じて
「1911系」とか「ナインティーン・イレブン系」などと称しています。

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  ハンドガンに関するFAQ23

南部式や十四年式拳銃のバレルは、ルガーP08と同様、レシーバーにネジ固定されているのか?
それとも一体加工か?


  答え

レシーバーと一体加工です。

・・・だよね?(爆
ちょっと確認してみます(汗

確認1

確認2

一体です・・・




  追加質問

これは技術的な問題から(ネジ加工が難しい)一体加工となっているのか?

  答え

いいえ。
バレルにネジを切ってレシーバーに固定するのは、小銃では当たり前に行われている方法です。
むしろ、レシーバー一体で削り出す方が手間が掛かる筈です。南部式ではフレームが2分割にな
っていたりと、南部の拳銃はコストダウンとは無縁な感じですね。

追記
「ねじ込んだ後にサーフェイス化されているのでは?」と言う問い合わせがありましたが、どう見ても
一体です。書物の断面図を見ても、一体に描かれています(別の物は分かれ目が描かれている)。
また、十四年式ではトリガーガードの凸が入る溝が、レシーバー下部に掘ってあるので肉厚が薄く
そこにスレッドを切るのは強度の問題から無理と思われます。


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  ハンドガンに関するFAQ24

S&Wリボルバーの、シリンダーストップが入り込む溝の部分は、肉厚が薄いとあったが(こちらの
ページ)、これはどの程度のホットロードで問題になるのか?



  回答

この質問は、実はかなり以前のもので、その際はメールで回答したのですが、最近、銃砲店でノッチ
部分が膨らんだシリンダーを入手(貰ったw)ので、写真に撮って新たに回答します。

このシリンダーは、38スペシャル弾を使用するM1905ミリタリー&ポリスの物です。話ではダブル・
チャージ(個人リロード)のミスだそうです。38スペシャルと言うと、ピストル用パウダーの中でも特に
速燃性の物を使いますから、ダブルはかなり危険です。その割りに被害は微小↓ですが、ターゲット
用のライト・ロードで2回詰めたのかもしれません。ちなみにトリプル・チャージですと、銃が破壊する
程になります(38スペシャルや45ACPなど)。ライフルと違って、ケースの容量に比べてパウダーは
少量
ですから、トリプルくらいは簡単に入ってしまい、またそれに気付き難いのです。

前置きが長くなりましたが、これがそのシリンダー

左の矢印部分が、少し凹んでいるのが分かると思います。ダブル・チャージによる異常腔圧で
ケース・ヘッド部分が押し出されたのでしょう。通常の燃焼は、ブレットの前進と共にゆっくりと
燃焼しますが、大量の速燃性パウダーが一気に膨張したり、停弾による異常腔圧が発生した
場合などは、爆発に近い圧力や衝撃波がチャンバー全体に伝わり、銃を破壊します。写真は
比較的軽度の被害と言う事ですね。

さて、問題のシリンダー・ストップが掛かるノッチ部分ですが、肉厚が分かりやすいようにカット
してみました。御覧の通り、僅か0.8mm程しか肉厚がありません。ですから、軽度の異常圧
でも、右矢印の様に凹んでしまうのでしょう。これはまあ、確かに弱点と言えるでしょうね。

コルトのリボルバーは、ボルト(S&Wで言うシリンダー・ストップ)がセンターより脇にオフセット
されていますから、この部分の肉厚はここまで薄くはありません。また、コルトのシリンダーは
全体的に分厚く出来ています。スタームルガーも同様ですね。S&Wでも、5連発や7連発は
ノッチの位置的には大丈夫です。

6連発のS&Wは御覧の通りモロに「ド真ん中」なのですが、しかし普通にファクトリー・アモを
撃っている限りは大丈夫です。「リロードで限界までホットな弾薬を撃ってみたい」と言うので
あれば、私はS&Wのマグナム・リボルバーはお薦めしませんね。500S&Wとかは別。(笑)
どの程度のホットロードで、写真の様になるか?これはハッキリとは言えません。万一の事が
ありますからね。データ・ブックの上限まで入れるような事は止めた方が良いかも知れません。

追記
写真の0.8mmと言う数値は、38スペシャルのシリンダーの実測値ですよ!全ての種類に
共通の値ではありません。M19やM29等は、もう少し厚いでしょうから。いずれにしてもウィ
ーク・ポイントだとは思いますけどね。






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  ハンドガンに関するFAQ25

リボルバーのシリンダーで、7連発の場合は割り切れない筈だが、これは問題にならないのか?


  答え

全然大丈夫です。そもそも、シリンダーはラッチに固定された状態でも、回転方向に遊びがあります。
物にもよりますが、手元のS&W586では0.5mmくらいかな?ブレットが発射され、シリンダーから
バレル付け根のフォーシング・コーン(ハの字の入り口)に入り込みますが、その時点で、この遊びが
殺されます。つまり、シリンダーは回転方向に遊びが設けてあり、ブレットの進行によって、最終的な
シリンダー回転方向のアライメントが決定される訳です。

訂正→「ラッチ」じゃなくて、シリンダー・ストップ(コルトで言うところのボルト)です。つまり、回転停止
した状態でも、回転方向に遊びがあると言う事です。

図に描いてみました。

図1の赤矢印が、回転方向の遊びです。
図2ではブレットがフォーシング・コーンに刺さり(?)、遊びが無くなった状態です。

・・・ってな訳で、一発毎0.5mmも遊びがある訳ですから、割り算の端数などは問題になりません。






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  ハンドガンに関するFAQ26

ビデオゲームの【メタルギアソリッド3】にて、至近距離から相手が手にするM1911A1やMk22の
トップエンドを、片手で素早く分解して無力化する場面が出てくるが、これは実際に可能なのか?

  答え

先ず最初に、私は映画や小説、ゲーム等の銃器に関する演出は、現実とは完全に切り離して考える
主義?です。その方が両方をより良く楽しめるからです。なので原則として、当コーナーではそれらに
関する質問には回答しておりません。何より、映画やゲームには、あまり詳しくないですからね(笑)。

・・・しかしながら、メタルギア・シリーズは大好きなので、このシーンは良く知っています。私も、「これ
出来るかなァ?」と、ちょっと興味があったので、ネタ的要素のQ&Aと言う事で実験してみました。

で、実験前の考察段階で、Mk22は無理です。これはスライドストップ軸がネジ留めされているから
です。Mk22はサイレンサー使用が前提の銃なので、発射音を抑える為にスライドを固定できます。
それをスライド・ストップ(通常の物より大型で、スライドの前進ではなく、後退をストップさせる部品)
にて行っている為、ボルトとナットでフレームに固定してあるのです。なので当然、ゲーム・シーンの
再現は無理と言う事になります。

M1911(A1)はどうか?これは可能です。以前、「ちょっと変わった分解手順」と称して解説しました
ので、未見の方はコチラ。ただ、スライドストップが抜ける位置と言うのは、スライドが中間地点あたり
の一箇所のみです。そうしなければ、射撃中に抜けて来ますからね。ゲーム・シーンでは、スライドを
完全後退させて抜いていた様に見えましたが、だとすればそれは誤りです。この分解位置でスライド
を素早く停止させるのは困難です。もう一つは、マガジンです。先ずマガジンを抜かなければ、スライ
ド・ストップを外しても、スライドはマガジン・リップに引っ掛かって抜けません。

ですから、手順としては

@スライドを分解位置に押さえて止める
Aマガジン・キャッチを押して、マガジンを落とす
Bスライド・ストップの軸側を指で押し、ストップ側を爪で引っ掛けて弾き出す
Cトップエンドを抜く

こんな感じです。左手の方がやり易そうだったので、左手でトライしました。ザ・ボスは右手だったか?
それではレッツトライ!

「試してあげるわ!」(←喜久子ボイス)  観れない場合の別窓版

あはは!笑っちゃダメよ。ちなみに、特訓とかはしてません(笑)。ザ・ボスならば、もっと素早く行う
事は容易でしょう。




メタルギア3の話が出たので、ついでに私的キャラ評価を言わせてもらおう!

スネーク→ださい
オセロット→超ラヴリー!
ヴォルギン→超かっこいい!
ザ・ボス→ヒーヒー言わされたい
エバ→ビッチ
パラメディック→嫁にしたい
雑魚兵士達→不憫
ワニ→水の中だと超強くてビックリした

まあ、そんな感じです。4って出たのかな?またハマるとヤバイので、知らない方が良いか・・・(笑

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  ハンドガンに関するFAQ27

スプリングフィールドXDのトリガー・アクションは、グロックと同様の変則DAなのか?

S&W社から発売されたM&Pオートのトリガー・アクションは、グロックと同様の変則DAなのか?



  答え

写真を使ったので、別室に移動願います。

別室

そんな感じです。
余談ですが、個人的にグリップの握り心地がブローニング・ハイパワーに似たXDがお気に入りです。
これの40S&Wを所有しており、以前、雑誌のレポートで初期トラブルのテストを行いましたが、満足
行く結果でした。嫌なのは、ファイアリング・ピンを分解する際、ピン・ポンチ(ピン抜き)が必要な点と、
エキストラクターが分解し難い(個人的には出来なかった)点です。グリップの握り心地さえ良ければ、
断然グロックを選びます。昔、グロック22(40S&W)を使っていましたが、信頼性は評判通りでした。
でもグリップが・・・。(←もういいよ・・・)



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  ハンドガンに関するFAQ28

ワルサーの旧GSPやOSPのトリガーは、起点が下になっているので、回転運動が通常の逆になり、
ブレが起り難いとされているが、これは具体的にどういう理屈なのか?




  答え

上記質問は何通か頂いたメール内容を纏めたものですが、最初は意味がわからず、何度かやりとり
する内に、下図の様な事を指しているものと判明(判断)いたしました。つまり・・・




こう言う事らしいのです↑

しかしながら・・・これは全くの誤解・・・と言うか勘違い?です。旧GSPやOSPのトリガーはシュー
部分(指が当るパーツ)は確かに下にネジ留めされていますが、そこを支点に運動する訳ではなく、
もっと大きな部品(トリガー・レバー)が全体に運動します。そして、そのトリガー・レバーの支点は、
通常の銃と同じく上にあり、回転方向が逆になると言う事はありません。

※初代モデルについては、私的に不明。詳しくは一番下の追記参考。

図にしましたが、水色がトリガー・シューで、黄色がトリガー・レバー。この二つはネジで一つに固定
されています。そしてトリガー・レバーの支点は、上部の「支点」と書かれた部分で、大きな赤矢印
方向に緩やかに円運動します。つまり、普通の銃と理屈は同じなのです。

(図中のA〜Dは、今は無視して下さい)

トリガー・シューを固定する下部のネジは、シューを前後にアジャスト出来るよう、スライド溝があります。
この部分を「支点に運動する」と勘違いしたのでは?また、もし仮に下側に支点があったとして、それが
ブレを防止すると言う理屈には成り得ないと思います。余談ですが、支点を中心に回転するトリガーを、
ピボッティング・トリガーと言い、M1911系カスタム・パーツには、わざわざコレに改装するキットがあり
ます。競技銃は「真後ろにトリガーを引くのが理想」とされている様ですが、ピストル射撃の場合、必ず
しもそうとは限らず、円運動の方が有利な場合も(むしろその方が)多いのです。


さて、回答は以上ですが、苦労して図を作ったので「OSPよもやま話」として、もう少し垂れ述べる(笑)。

ラピッドファイア・ピストルが22LRを使用するルールに改変されたので、当然OSPは過去の銃であり、
またSPやCPも、トリガー機構が一新されたので、上記のトリガーはコレクターアイテム?です。この図
は結構正確に描いたので、何となく動きが理解できると思います。

動きの順序は・・・水色&黄色→青→グレー→ピンク→緑→紫(ハンマーダウン)となります。

一種のリレー式トリガーですが(セット・トリガーではない)、グレーとピンクが噛み合う D 部分が重要
な場所です。ここのエンゲージを調節する事で、トリガーのキレが決定します。ところが!アジャストする
 C のブロック(本体にカシメてある)は、数万発でガタが発生するのです。すると、 D の部分がスリ
ップして、閉鎖暴発(連鎖)してしまうのです。これがOSP旧トリガーの最大の欠点!・・・と言うお話。

1984年のロス五輪で金メダルを獲った蒲池猛夫選手は、公開練習日に上記トラブルが発生し、急遽、
エンゲージを多目にとって対処したそうです。それで翌日の本戦で優勝するのですから、その精神力は
並大抵ではありませんね。競技銃は、その性質上、何万発も発射される事が当たり前ですが、こうした
トラブルは銃の信用に大きくかかわります。とは言え・・・、起ってしまったトラブルを、「銃が悪いのだ」と
逃れるのではなく、前向きに対処して克服する選手にこそ、勝利の女神は微笑む・・・と言うお話。

もう一つ、裏ワザ的な話しを・・・。スポーツ・ピストル競技やCP競技などは、トリガー・プル(重さ)制限
がありますが、試合前の検査では、重さの合否はトリガー・シューの A 部分で測定します。しかし、旧
トリガーはトリガー下面にもレバーが伸びていますので B 部分を上手く引く事で、実際はかなり軽く
引く事が出来るのです。これは・・・ぶっちゃけ反則?でも、バレる事はありません(笑)。以下は勝手な
想像ですが、新トリガー機構が普通のデザインに変わったのは、共産国あたりの選手団から物言いが
付いたからでは・・・?違うとは思いますが、週刊誌ネタ的にはソッチの方が楽しい(笑)・・・と言うお話。

ちゃんちゃん・・・

追記
今回の回答は、OSP及びGSPの2ndジェネレーション以降に限らせて頂きます。デビュー当時の初代
1stモデルは、私は使った事はおろか触った事すら無いので、何とも言えません。1stは、レシーバーや
バレル等のデザインが大きく異なり、トリガー内部も違うデザインの可能性があります。質問にある、支
点が下のトリガーである可能性は否定できません。この初代モデルは、途中で小変更の後、1970年
始め頃に、デザイン一新した2ndモデルへと移行します。日本人に馴染みの深いGSPやOSPは、この
2代目のOSP&GSPです(CMC製モデルガンや蒲池選手の使用銃)。

初代が異なる点(外見上。内部は不明)を絵に描いてみました。トレス画なので、輪郭などは正確です。

そして3rdモデルでは、OSPはショート・バレルとなり、GSPではトリガー・メカが一新されます(本文で
ちょっと触れましたが)。そして4thのOSPは「OSP2000」と命名され、グリップ・フレームやレシーバー
変更、リア・サイトが後ろに延長。GSPはデザインが派手になり、「エキスパート」などの新型?が登場。
しかし、この辺になると「苦しいテコ入れ」的な雰囲気が漂ってきます(私的感想)。3rdあたりから、品質
低下が囁かれ始めましたからね。私もOSP2000にて、幾つか体験しました。この時期、既にかなりの
シェアが、パルディーニ、ヘンメリー、モリーニなどに喰われています。GSPやOSPが華々しかったのは、
2ndモデルの頃だったかな・・・と、個人的に回想します。今後は、スタイル一新した(マガジンがグリップ
内に収納)モデルSSPに期待しますね。

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  ハンドガンに関するFAQ29

@一般ハンドガン用のショットシェルは、どの程度の威力があるのか?対人用として使えるのか?

Aどの様な内部構造なのか?

B内部に水が侵入した場合、パウダーは湿気らないのか?(気密性の確保は?)

Cショットが銃身内部のライフリングを損傷する事はないのか?

Dオートの場合、ショットシェルで作動するのか?




  答え

@対人用としては殆ど無理でしょうね。インパクトが足りないので、非致死弾としても使えないと思い
ます(相手を怒らせるだけ)。まあ、眼球に当った場合などは別ですが。既製ハンドガン用のショット
シェル(38スペシャルや9mmルガー、45ACPなど)は、別名「スネーク・ショット」と言い、山歩きの
際に足元に現れた蛇を撃つのに便利です・・・つーか、凄くタイトな用途ですが(笑)、実際それ以外
の使い道が思い浮かびません。威力は極端に低く、有効射程は数メートルです。それ以上の距離も
飛んで行きますが(恐らく数百メートル)、10メートル以上離れるとパターン(散弾の広がり)が大きく
なり、仁丹程の鉛粒が数個、皮膚にめり込む程度?痛そうですけどね・・・。スネーク・ショットとして
考えれば、誤射で人が死んだり、兆弾での事故が少ないので好都合でしょう。

ABあくまでも一例ですが・・・こちらへどうぞ

Cありません。ショットは柔らかい鉛であり、バレルはクロモリやステンレス鋼なので大丈夫です。
但し、ライフリングのエッジなどでショットが変形して、パターンが悪くなる事は考えられます。ですが
用途が用途、射程距離が射程距離ですから全く問題ありません。余談ですが、散弾銃用のショット
シェルでも、ショットでボアが削られる様な事はありません(スティール・ショットなどは別)。カップ式
のワッズを「ショットからボアを保護する・・・云々」なる説明を目にしましたが、それは誤り(逆)です。
カップ・ワッズの目的はショットの変形を少なくして、パターンが乱れるのを防ぐ為にあります。カップ・
ワッズでないショットシェル(主に大粒弾)も多数ありますが、それらが「ボアを損傷させる」などと言う
話は聞いた事がありませんからね。

Dこれは私も疑問だったのでテストしてみました。使用したのはCCI製の45ACPショットシェルで、
銃は私製の1911系カスタム。毎度毎度しつこく念を押しますが、結果はこの組み合わせのみです。
他メーカーの製品では違った結果になる可能性があります。こう書いておかないと、テスト対象に
過度の妄想を抱いた方などから逆恨みされたりしますので、その辺くれぐれも宜しく。

テスト結果

事故の危険は何所に潜んでいるか分かりませんね。原因不明のジャムが起こった場合、射撃は
中断して原因究明を行った方が良いです。


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  ハンドガンに関するFAQ30

ガバメントのリンク式ティルト・バレルは、最近の傾斜が重なる形式に比べて耐久力や強度が劣る
のか?そうでないなら、何故、他の銃には採用されないのか?

何故、ガバメントはリンクを採用したのか?同じブローニングが設計したハイパワーでは、カム式に
なっていたが・・・?



  答え

常識的な使用をする限り、リンク式で強度や耐久性に問題が生じる事は無いと思います。但し、際限
無く負荷を掛けて行って、最終的にリンク式と傾斜が重なる形式(ブロック・スロープとか、スリット式
などと言う)のどちらが先に破損するか?的な比較ならば、リンク式の方が先に壊れる気がしますね。

では、リンク式はどの辺がウィークなのか?イメージ的にリンクが破損しそうな気がしますが、それは
違います。銃雑記で以前記しましたが(この辺)、リンクはバレルがティルトする際のガイドの役割しか
担っておらず、負荷(発射反動の力)を直接は受けていません。バレルが勢い良く後退するのを、引っ
張り下げてやる感じです。そしてその後、ショート・リコイルしたバレルは、ボトム・ラグ(リンクが繋がっ
ている傾斜部分)後部がフレームに当たる事で停止しますから、その衝撃もリンクには直接掛からな
い事になります↓。


後退したバレルが衝突するのは C の部分であって、 A の軸はこの時にフリーでなければいけま
せん。これを点検するには、リコイル・スプリングを取り去ったバレルとスライドをフレームに組み、スラ
イドストップを軸だけ通した状態にし(指賭け部分は下方に垂れ下げる感じ)、スライド後退位置でバレ
ルを後方に強く押して加重を掛け、スライド・ストップ軸がクルクルと軽く動かせる事で判断できます。
つまり、バレルの衝突加重は、リンクやスライドストップ軸には掛かっていない訳です。更に、B 部分
(ランプ部分)も変形防止の為にクリアランスが設けてあります。

しかし、もしもリンク・サイズの選定を誤ったり、フレームの加工不完全などの理由により、C 部分で
衝撃を受け損なうと、リンクやスライド・ストップ軸に直接加重が掛かり、破損したり、異常摩耗します。

と、ここまで書いて、これはウィーク・ポイントにはなりませんね。誤ったフィッティングを行った場合、リ
ンクや軸が破損する可能性は高いですが。ただ、全体としての強度を上げようとした場合、リンクを支
えるのがスライド・ストップの軸なので、肉厚を増すなどの策がとり難いとは言えます。
ブロック・スロー
プの場合、フレームに太いリインフォース(バレル側のスリットが入り込む部分)を打ち込んだり、鋳込
んだりすれば、幾らでも強度を増す事が可能です。ポリマー・フレームの場合、これは大きな利点と言
えます。

纏めると、リンク式が強度不足と言う事は無いが、より一層の強度を求めた場合、スライド・ストップ軸
で保持するリンク式では、その限界点が低い。と言う感じかな。但し、過去の例を見れば、他の形式で
も破損した事例は沢山ありますからね。工作技術や品質にもよっても左右される訳ですから。その辺
を同一条件として考えた場合の話です。




>何故、ガバメントはリンクを採用したのか?

ブローニングが、何故リンクを用いたかは分かりません。当時は未だ「決まった形」と言うのが無かった
時代ですから、リンク式を先ず考え付いて、それに問題が無かったので迷わず採用した・・・と言う感じ
でしょうか?確かに問題は無かった訳ですから。もう一つ、これは私的見解ですが、最近のブロック・
タイプは表面硬度が高い材質(熱処理)を使用しているので、受け面積の広いスロープでもスムーズに
作動しますが、1911の時代ではそう言った処理・工作が大仕事で、円滑に作動させるには、リンクを
用いるのが最も容易で得策だったのかも。



>何故他の銃に採用されないのか?

コストの問題が第一でしょうね。リンク式はリンクとピンを作り、それをバレルに組み付ける作業があり
ますから。他のタイプは、その辺の行程が一切不要、作動面での不利条件も無く、尚且つ強度確保の
ポテンシャルが高いとあれば、わざわざリンク式を採用する理由が無い訳です。但し、上でチラと述べ
ましたが、最近のブロック・タイプは熱処理などの面で高度な技術が要求されます。