(旧Q&A)ハンドガンの質問11

straydog さんからの質問。

以前からどうしても納得がいかなかったことです。
映画で俳優がカッコをつけてよくやっている、オートマの拳銃を寝かせて構えて撃つやり方ですが
ああして撃つとジャミングを起こしやすいという話を聞いたことがあるのですが、事実でしょうか?
事実としたら、どうしてそうなるのでしょうか。
個人的な考えとしましては、横に寝かせて撃ったくらいで、作動不良起こすなんて、どうも不思議な
感じがするのですが。

回答よろしくお願いいたします。


  答え

私も同感です。スライドの後退力、それに伴う蹴出力を考えた場合、銃をどちらに向けても一切問題は
無い筈です。あったら困ります。ちなみに、380ACP以上のオートマティック・ピストルのスライド後退力は
半端ではありません。「素手で押さえよう」などと考えない様に(そんなヤツは居ない?)。それ程の力で
蹴り出される訳ですから強烈です。もっとも、オートマティック・ライフルでは、プランジャー式のエジェクター
が装備される場合があり、その場合はスプリングの力でエジェクトします。何れにせよ、銃の向きに影響
されない事は同じです。もしも、横に寝せて排莢不良を起こす銃があるとすれば、エジェクト・システムに
欠陥があるか、或いは故障していると考えるべきです。

一丁だけで・・・ですが、プチ実験してみました。ゴールドカップの横撃ち!




はい。何かオチがついてましたが(笑)、そんな感じです。

ところで・・・・・・straydog さんも言う様に、横撃ちは、あくまでも映画の中での演出です。
但し、如何なるポジションからでも、正確な射撃を行う為の訓練としてならば、これは有意義だと思います。
恐らく、そう言った訓練を行っている組織もあるでしょう。実戦では、状況によって必ずしも銃を縦に構え
られるとは限りませんからね。その為にも、銃を横に寝せる事で作動不良を起こす銃(特に実用銃)など、
絶対あってはいけません。これはライフルでもマシンガンでも同様です。

追記
横撃ちとは別に、自動拳銃を弱くグリップすると、ジャム(排莢不良)を起こすと言う話がありますが、これは
その通りです。特に、リコイルスプリングの強い380ACPのストレート・ブローバックでは、私も体験済み。
必ず起こるとは限りませんが、確立が高くなるのは確かです。ジャム云々以前に、銃をあまりにも軽く握る
のは、反動の強い実用銃では危険です。軽く握るメリットもありません。(かと言って、全力で握り締める
必要もありませんが)常識的に、極普通に握っていれば、この様な問題はありません。




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 (旧)ハンドガンの質問12

みやがわ さんからの質問。

1.リボルバーでボトルネック(例えば7.62×25トカレフ弾)の弾薬を発射する事は、シリンダーの装填穴(と言
っていいのでしょうか?)のサイズさえ合っていれば可能なのでしょうか?もしボトルネック弾を発射できるリボル
バーをご存知ならば、大変お手数ですがその銃の名前や製造社も教えていただきたいです。

2.ボトルネック弾が発射可能だとしたら、シリンダーの装填穴(?)の形状は弾薬の形状にあわせて前部を細く
絞りこんであった方が初速等の面で良いでしょうか?


  答え

先ず、装填穴は薬室(チャンバー)と言います。リボルバーのシリンダー(弾倉)はチャンバーを兼ねます。

Q1>リボルバーがボトルネック弾を採用する事ですが、可能か不可能か?と言う事ならば、それは可能です。
但し、利点が殆どありません(この点は、みやがわさんも既に承知しています)。ですから、実際にボトルネックを
採用するリボルバーのハンドガンは皆無に近いです。私的に、ざっと調べて見ましたが、ありませんねぇ・・・・
リム・ファイアなら .17HMR(ホーナディ・マグナム・リムファイア)と言う弾薬を使用するリボルバーが幾つか
あります。

S&W M647(他所のサイトなので無くなるかも)

タウルス .17HMR トラッカー
(他所のサイトなので無くなるかも)

強いてもう一つ挙げるなら、S&W M53の 22 レミントン・ジェット・マグナムですが・・・しかし、コレはボトル
ネックと言うのだろうか?


惜しいところでは、357マグナムのケースをネックダウンした、256 ウィンチェスター・マグナムと言うのがあり
ます。しかし、これはプレッシャー・リークの問題でリボルバーには使われず、マーリン・モデル62(ライフル)や、
スタームルガー・ホークアイ(リボルバーっぽいがシングル・ショット。惜しい!)等に使用されただけです。

リムファイアでの小口径ならともかく、ボトルネックは遅燃性パウダーを多く燃やす為、また、その形状故、ボア・
プレッシャー(腔圧)が上がり、シリンダーとバレルの間に隙間があるリボルバーでは難しいのだと思います。





Q2>そうです。初速云々以前に、どんな弾薬(ボトルネックに限らず)でも、チャンバーの形状が弾薬にフィット
していなければ、ケースが破れます。弾薬の圧力を押さえているのは、ケースでは無くチャンバーなのです。





さて、ではオマケでもう少し詳しく、何故リボルバーにボトルネック・カートリッジは採用されないのか?
利点が殆ど無いとは、どう言う事なのか? Q されてもいないのに勝手に垂れ述べてみたいと思います(笑)。

「リボルバー+ボトルネック弾」この組み合わせが少ない理由を察するのに良い例があります。リボルバー用の
357マグナムと、オートマティック用の357SIGです。357SIGは、オートマティックで357マグナムと同クラスの
威力を得る為に、40S&Wのケースをネックダウンするかたちで開発されました。スペックを比較すると、確かに
357マグナムに迫る性能です。これらを同じスペックと仮定して、では両者の外見を比較すると、357マグナム
が細長いのに対して、357SIGは全長が短く、ケース部分が太いズングリした形状です。

もう分かりましたよね(笑)。つまり、リボルバーの弾薬は少々長くてもデザイン的に問題ありませんが、オートの
場合、グリップ内のマガジンに収める関係上、長く出来ないのです。口径を変えずにパウダーの量を増やそうと
すれば、全長を長くするかケース部分だけ太くするしか方法はありません。ボトルネック・ケースの主たる目的は
口径と弾薬長を変えずに薬量を増やす事なのです(それ以外の理由は後で述べます)。

以上の理由を逆に考えると、リボルバーにボトルネック・ケースを採用した場合、シリンダーが少々短くなる代償
に、直径は大きくなってしまいます。もしも、357SIGをS&Wリボルバーで使用する場合、従来のLフレームでは
シリンダーが納まらず、44Magクラスで使用するNフレームを使用する事になります。
Nフレームの357SIG(←架空w)とLフレームの357マグナム(←実在)、どっちがいいか?答えは明らかです。

また、現在のハンドガンにはボトルネックは殆ど存在しません(高速弾による貫通力を目的とする、5.7×28の
様な特殊弾は例外)。これはハンドガンは短いバレル(2〜6インチ)でブレットを加速する為、速燃性パウダーを
少量使用する性質だからです。マグナム弾でも無い限り、大きなケース・キャパシティは必要無いのです。
30マウザー、30ルガー、7.62トカレフ等、100年前には多数存在しましたが、恐らくこれらは性能云々よりも、
当時流行のスタイルだったのだと思います。或いは、当時のパウダーでは、それだけの量が必要だったのか?
何れにせよ、現在のパウダーを使用すれば、ボトルネックの容量が無くとも同等の性能は出せます。

さて、ではパウダー容量以外のボトルネック・ケースのメリットですが(以下はライフル弾の話。拳銃弾ではあまり
関係ありません)、大量の遅燃性パウダーを、ゆっくり確実に燃やすには、火薬の部屋(ケース・キャパシティ)が
大きく、出口(ネック)が狭い方が都合が良いのです。パウダーは一瞬で燃え尽きる事はありません。ブレットを
前進させつつ、ジワジワと燃えて行くのです。イメージ的にも、大きな部屋に居る大勢が、狭いドアから出る方が
スピードは鈍るでしょう?その間で、大量の遅燃性パウダーに良い按排で火を伝える(火炎伝播特性)訳です。

もう一つは、ショルダーの角度を変化させる事で、先に述べた火炎伝播特性や圧力伝播を微妙に調節出来る点
です。ライフル弾は同じ様な口径の弾薬でも、ケース・ボディ径とネック径の比率、それに伴うショルダーの角度
が多種多様です。弾薬を設計するデザイナーが、色々工夫する事が可能なのです。この点ストレート・ケースは
名前の通り「ストレート」にしか創れません。

え〜、更には、40S&Wをネックダウンして357にするメリットは何なのか?どうして、エネルギーをそのままに
ボア・ダウン(小口径高速化)するのか?40S&Wと357SIGの利点の違いは?
何時の間にか私が質問者?脱線したので、これらについては何れ雑記の方で・・・・






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 (旧)ハンドガンの質問13

KHAさんからの質問

九四式拳銃の動作メカニズムについて幾つか疑問が生じたので、メールさせて頂きました。

1:セフティが正常でも暴発する欠陥について
 某所で書かれていたのですが、九四式は引金とシアがくさび状に噛み合う構造上、たとえセフティにガタが
全く無い状態でも、引金を強く引き続けると、この噛み合い部がどんどん噛み込んでしまい、仕舞いにはシア
が板バネのようにしなってしまう為、セフティを外した瞬間にシア後端がハンマーから外れてズドン!といって
しまう欠陥があった、というのです。

 これは大昔の雑誌に書かれていたらしい事で、構造上の欠陥とシアの材質欠陥が重なった為に、こういう
事が起きてしまったらしいのですが…。たかひろさんの九四式でもこういう事って起きるのでしょうか?


2:ズバリ、たかひろさんなら九四式をどういう風に改良しますか!?

 九四式を改良するとすれば、

 1:暴発を招くシアの露出
 2:華奢なマニュアルセフティの改善
 3:不完全閉鎖時でも作動するハンマーへの対策

この3点に絞られる物と思います。

 1や2までなら、ネット上にある写真や構造図からあれこれ推察する事が可能ですが、3については、ちょっと
有効な対処策が思いつきませんでした。個人的にはこれが安全上一番大きな欠点だと思っているのですが…。





  答え

Q1>先ず、トリガーがシア(シア・バー)に楔状に噛み込むと言うのは、表現が適切ではありません。楔と言う
よりは、カムです。斜めになったアングル(カム)同士がスライドして、動作する方向を(トリガーの前後運動を、
シア・バーの左右運動に)換えているのです。

以前、Q&A42で上記の動作を写真で説明したので御覧ください

この様に、単なる傾斜同士の擦れ合いですから「楔の様に噛み込んで行く」と言う事は起こらないと思います。
実際の銃を使って実験もやってみました。この銃はレポートと同じ物で、昭和18年製、セーフティのガタは全く
ありません。質問の様に、セーフティを掛けてトリガーを何度も強く引くと確かにシア・バーはしなりますが(注)
トリガーを戻せばその都度、また元の位置に戻ります。ですから、その後セーフティを解除してもハンマーは落
ちませんでした。トリガー・プルにも変化なしです。(アンダーライン注釈:「しなる」ではなく、作動方向に微動し
ます。シア・バー自体が板バネのように反る事はありません)

同じ九四式でもセーフティがガタガタの末期型では、質問と同じトラブルが発生します。但し、それはトリガーと
シア・バーが噛み込む・・・・と言う事ではありません。これはガタのあるセーフティの為に、トリガーを強く引くと
シア・バーの後部(セーフティで押さえている部分)が微妙に動いてしまい、ハンマーとの引っ掛かりが外れる
一歩手前(セーフティによって辛うじて止まっている状態)で保持する事となり・・・・セーフティの解除と同時に
ズドン!です。
このトラブルは、マウザーM1896の初期型や、一昔前のウィンチェスターM70等でも、セーフティとハンマー
或いはファイアリングピンの引っ掛け溝が磨耗してくると起こりました。セーフティを掛けて、トリガーを何度か
引き(その時は何も起きず)、セーフティを解除した途端、ズドン!です。ちなみに両者、その後のモデルでは
ちゃんと改良されていますので誤解無き様・・・・・

・・・・で、ここからは私の想像ですが、シア・バーの前部(トリガー側)が、フレーム内部と干渉する等の原因で
戻りが鈍くなってしまい、動作が一方通行になってしまったとすれば、質問にある様に「引き金を強く引き続け
ると、シアが板バネのようにしなってしまい・・・」と言う事は起こるかも知れません。

しかし少なくとも、私の手元の九四式は大丈夫です。銃が正常な状態ならば↑の問題は無いと思います。



Q2>露出シアは、危険部分にカバーを付ければ完了(←やっつけ?)。マニュアル・セーフティも、厚みを増し
て上部がフレームへ入り込まなくても(九四式のセーフティは、上部に爪が出ていて、それがフレームの溝に
入る事で、両サイドからシア・バーを押さえる構造なのです。故にキチンと上まで上げ切らないと危ない)完璧
にロック出来る強度で仕上げれば問題ないと思います。

問題とされる3:ですが、これも暴発防止だけなら難しくはありません。不完全閉鎖状態では、ハンマーが落ち
ても、ファイアリング・ピンを叩けない構造(形状)にすれば良いのです。これはマウザーM1896を見て頂け
れば、↓一目瞭然。米軍の小銃など(M1〜M16)も、やり方は違っても同じ理屈を採用しています。

不完全閉鎖のマウザーM1896

九四式のファイアリング・ピン打撃部分

九四式では、写真のマウザーで『ハンマーを止めていた角』が、わざわざ削り取られています。また、ファイア
リング・ピンの、ハンマーが当たる部分が、縦長で大き過ぎるのです。だから、不完全閉鎖の位置でも叩いて
しまうのです。ファイアリング・ピンの突き出ているスライド後面を、広くフラットに加工して、ファイアリング・ピン
の突き出し量と面積を最小にすれば、閉鎖した位置(角度)でしか、ハンマーがファイアリング・ピンを叩けなく
なる筈です。

もっとも、後から言うのは簡単です。恐らく、上記の様に作れない『理由』があっての事だと察します。そもそも
あの激小スペースに、回転ハンマーを設ける事自体に無理があるのです。銃に限った事ではありませんが、
基本設計と言うのは重要です。基本設計のブローニング、閃きの南部と言ったところでしょうか?もしも両者が
組んで設計したら、面白い銃が出来たでしょうね?・・・・嫌、喧嘩になってそれどころでは無いな・・・・


ところで、KHAさんの質問以前に、何時だったか、当サイトでの「九四式は不完全閉鎖でも撃発(ファイアリン
グ・ピンがプライマーを叩く)する」 と言う記述に対し、「そんな事は無い!」と、反論されました。
では、ついでなのでここでその時の実験方法を記します。私がここで発言する自由と同様に、信じる信じない
は閲覧する皆様の自由です。

実験は簡単です。
@スライドとフレームの間に、割り箸等を挟んで隙間をつくり、意図的に不完全閉鎖状態にする。
A銃口から、ボアにぴったりの鉛筆(新品)を通す。
B銃口を真上に向け、トリガーを引く。
C鉛筆が飛び上がる。通常閉鎖状態と同じ距離飛び上がれば、つまり発射可能と言う判定。
注:鉛筆の端が凹むので、同じ物は二度使わない。その都度、新品に交換して条件統一する。

実験結果
2mmの不完全閉鎖>通常閉鎖時と同じ勢いで飛ぶ。
5mmの不完全閉鎖>上に同じ
10mmの不完全閉鎖>やや力は落ちるが、飛ぶ。

「しかし、ケースヘッド(プライマー)がファイアリング・ピンに接近していない状態なら、大丈夫ではないか?」
嫌々、試しに持っていた8mm南部のダミー・カートリッジで試したら、5mm不完全閉鎖では、エキストラクター
はケースリムを咥えていました。そうならない時もありますが、かなりの高確率で発射可能位置にありました。

ちなみに、5mmの不完全閉鎖状態では、ロッキングは完全に開放されています。この状態で発射すれば
どうなるか?言わなくても皆さんには想像できると思います。まあ、実際にはビックリする程度で済むと思い
ますが・・・・え?実験?それは勘弁して。





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  ハンドガンに関するFAQ14

グロックで出した45GAPは、どういう意図で開発されたのか?45ACPとは何所が違うのか?今後流行るか
それとも廃れるか?



  答え

写真で比較しますので、こちらへどうぞ







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  ハンドガンに関するFAQ15

@
拳銃を両手保持する、所謂、コンバット・シューティングの射撃スタイルには、ウィーバーとアイソセレスが
あるが、どういった違いがあり、どちらが有効なのか?

A
ダブル・タップの2発目は、サイティングしているのか?それともフォームで撃っている(感覚で)のか?
初弾は狙ってボディに当て、2発目はマズルジャンプしたついでに、狙わずにヘッドショットする、と言う事
なのか?

B
銃を両手でグリップする際、被せる側の掌は、どの程度の力で保持するのか?何かコツはあるのか?
また、人差し指をトリガー・ガードに掛ける撃ち方や、掌で銃の下部(マグ・ウェル辺り)を下から支える
撃ち方は、廃れてしまったのか?だとすればそれは何故か?


  答え

>@
ウィーバーは知ってましたが、ぶっちゃけ「アイソセレス」と言う呼称は初耳でした(爆)。勿論、そのスタ
イルはIPSCで私も実践していましたけどね。誰もそんな風には呼んでいなかった・・・かと言って、他の
呼び名も聞かなかったので・・・

両者の図

ウィーバー・スタイル (ウィーバー・スタンス)
利き腕の足を半歩引き、身体全体を半身(約45度)にして相手に向かいます。腕は、利き腕を伸ばして
(肘を張るかは個人差がある)、反対の補助する腕は肘を大きく折り曲げて保持します。

コンバット・シューティングが始まった頃、このスタイルが基本でした。生みの親はやはりジェフ・クーパー
でしょうね?45オートと言えば、このスタイルでした。本来、片手で撃つスタイルが基本だったところに、
両手保持のベーシック・スタイルを築いた・・・と言ったら大袈裟か?現在でも多く使われる射方で、応用
性もあります。欠点は複数の対象に連続して撃ち込む場合など、即応性(柔軟性?)に難があります。
また、肘を張った場合は手首がマズル・ジャンプの捌け口になりますので、連射する場合はキツイです。
これらの点が考慮され、複数のターゲットにダブルタップを行うIPSCシューターの多くはアイソセレスへ
変更しました。また、「ウィーバー・スタイルは相手に対して、自分の身体の投影面積を小さくする・・・・」
云々の話があります。しかし、鏡に向かって実際に構えてみれば分かりますが、半身に構えても、正面
に構えても、敵の弾が当たる確立は殆ど変わらない筈です。この理屈の意味は、物陰から少しずつ身を
晒す様な場合に適したスタイルであると言う事です。IPSCシューターが、アイソセレスに変更した理由は
その様な撃ってくる相手を考えずに、「速く的に当てれば勝ち」と言うルールであるから・・・とも考えられ
ます。


アイソセレス・スタイル
ハッキリとは分かりませんが、この射法の元祖はFBIのコンバット・シューティングではないでしょうか?
個人的には「サンチン(三戦)撃ち」と呼んでいました。空手の正面の構え「サンチン立ち」と同じ理屈に
思えたからです。ウィーバーは斜に構えますが、サンチン撃ち(笑)は身体を相手の正面に向けて構え
ます。この方が、あらゆる方向に対処(移動)し易いからです。フォームには個人差がありますが、概ね、
足は肩幅くらい、利き腕の足を半歩引いたり(ウィーバーっぽく)する人もいます。細かい違いは各人の
好き好きですが、腰から上、肩の線は相手に対して正面を向ける感じです。両腕は、ほぼ均等に伸ば
し、肘は少し曲げてリラックスさせます。そして電車のパンタグラフの感じでリコイルを吸収します。
この辺も個人差があり、ウィーバー・スタイルが抜け切っていない(利き腕が伸びきっている)人も居ま
すが、理論的に正しいのは前者だと思います。ウィーバーのところで述べましたが、この方法はリコイル
を吸収して連射し易いのです。

どちらの射法でも、肘を硬く固定してしまうと、レコイルで手首が反り返ります。これは連射を重視する
射撃では致命的な欠点です。手首だけで反動を逃がすと、サイト・ピクチャー(見出し)が大きく崩れて
次弾発射まで時間が掛かってしまいます。手首はしっかりと固定し、両肘で均等にショックを吸収する
感じで(反動に逆らわず)、銃を出来るだけ水平に前後動させる訳です(多少のマズル・ジャンプは伴い
ますが)。この射法で、グランド・マスター・クラスのIPSCシューターは鬼の様な連射をかまします。タッド
・ジャレットとか、ロブ・リーサムの射撃シーンをビデオで是非見て欲しい(チャンスがあれば)です。

以上の点から、両者でハッキリと異なるのは「相手に対し正面で構えるか、斜に構えるか?」の違いだ
と言えます。

で、どっちが良いか?と言う点ですが、個人的な意見では「両者を使い分けるのが一流」(笑)でしょう。
つまり、両方出来なければダメです。先に述べた様に、隠れた相手を警戒しながら、ドアや壁の角から
様子を伺いながら銃を構える場合は、自然と身体を半身にしたウィーバー・スタイルになる筈です。
いきなりドアの前にサンチン立ちする「蛮勇者」は、多分直ぐ死にます(笑)。そしてその後、突入?して
複数の相手と戦闘状況になってからは、素早く動いて連射し易いサンチン撃ちが有効と言う訳です。
更には、構えの左右もどちらでも同じ感覚で同じレベルで射撃、立っていても座っていても、中腰でも、
左右片手でも、あらゆる状況に対応出来る様にすべきです。

ただ、IPSC競技に於いて、スコア向上しか考えないのであれば、ウィーバーは切り捨てても構わない
かもしれません。末端の草試合に参加すると、たまに警察官が訓練も兼ねて参加している場合があり
ますが、そう言う目的の人は、バリケードだけはウィーバーで警戒しながら身を晒し、タイムは考慮に
入れないケースも見受けられ、「アレが本来のあるべき姿だ」等と周りから言われていたりします(笑)。
まあ、この辺は人それぞれ・・・

おまけ
どちらのフォームでも、またこれはライフルやショットガン(クレー)でも共通事項ですが、頭は引かない
と言う事。顔面を突き出し(笑)、目からビームでも出す勢いで構えて下さい。これだけで随分と格好が
つきます。こんな感じ。




>A
>ダブル・タップの2発目は、サイティングしているのか?それともフォームで撃っている(感覚で)のか?

これは各人のスキルによるでしょうね。私の場合、ターゲットとのディスタンスが10ヤードを超えたなら
サイトを使ってリカバリーしますが、それ以内の至近距離ならば、サイトを使わずに手首の感覚だけで
2発目を撃ち込みます。7ヤード前後ならば、それでAゾーンに入ります。

>2発目はマズルジャンプしたついでに、狙わずにヘッドショット・・・
それは難しいよ・・・。少なくともIPSC競技では、皆、そんな冒険はせずに手堅く攻めるでしょうね(笑)。
もっとも、超近距離とか、ゴルゴ・レベルのシューターなら可能かも?
本来ダブルタップの2発目は、確実に相手の動きを止めると言う意味です。決して「行きがけの駄賃」で
撃つのではありませんから、マズルジャンプは利用せずに確実に当てる方が得策と思います。




>B
補助の手は、引き付ける・・・と言うか巻き込む・・・と言うか、なかなか表現し難いです。単に覆い被せ
るのでは意味がありません。例えば右利きの人が右手で銃をグリップしたならば、左手はそれを包み
時計反対回りに捻る感じ・・・つまり親指付け根をグリップに押し付け、前に迫り出す感じで「ギュッ」っと
回すように押し出すのです・・・

ダメだ・・・図で説明します(笑

トリガー・ガードに指を掛けるのは、昔のスタイル(と言ったら語弊があるか?)ですね。ジェリー・バーン
ハートが、それをする(した)有名なトップ・シューターです。理論的には、補助する掌はテコの原理から
銃の下の方をグリップするのが有効であり、私もその理論に同感です。ちなみに利き腕の掌は、銃の
なるべく上を握ります(ハイ・グリップ)。つまり、銃がマズル・ジャンプする回転軸を境目に、グリップした
掌で上から押し、補助する掌で、下から引き付ける訳です。

>掌で銃の下部(マグ・ウェル辺り)を支える撃ち方
「カップ&ソーサー」などと呼ばれる撃ち方です。
これはコンバット・シューティングには向きません。プリンキング(お遊び射撃)などで、片手では上手く
当てられない人などの為の、腕揺れ防止対策です。リコイルを押さえる効果は殆どありません。
反面、腕揺れを減少させる効果ならば他の方法よりも優れています。また、補助する手指が後退する
スライドに干渉して怪我をする事故(けっこう多い)もないので、初心者にはお薦めです。初心者でなく
ても、長距離で精密射撃をする場合は有効かも。「廃れた」のでは無く、そもそも使い道が違うのです。
こんな感じ。(リコイルの強い銃は両手をしっかり伸ばして、両手でグリップした方が良い)




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  ハンドガンに関するFAQ16

38スーパーと言う弾薬は、どんな弾薬なのか?
市場ではあまり普及していない割りに、IPSCなどの話では良く出てくるが、競技用の色が濃いのか?
ジャムが多いという話を聞くが?
例えばCQBなどの戦闘用には適さないのか?
現在、コルト以外の1911系で、38スーパーをラインナップに加えているのは?


  答え

38スーパー・オートマティック(これが正式名称)は結構古くからある弾薬です。それまでの38ACPに
代わって、1929年にガバメント・スーパー・モデルと共にデビューした・・・んだったと思う(ヲイヲイ・・・)。
トンプソン・SMG(トミーガン)にも、38スーパーを使用したモデルがありました。当時としては最高速
クラスの高性能カートリッジで、エナジーも含めたパフォーマンスは、30マウザー辺りをも凌ぐ筈です。
現在はプラス・パワー(38Super+P)と言う、新たに性能を見直された物が主流です。

同じ重量のブレットで比較すれば(120gr前後)、マズル・エナジーは357マグナムに迫るパワフルな
カートリッジですが、アメリカ国内ではあまり人気が無く、南米やメキシコ、カナダなどでは人気があり
ました。(メキシコでは45口径は民間所持が禁止されていたため、38スーパーがポピュラーになった。
その為、米国内では「メキシカン用弾薬」みたいな、ちょっと侮蔑的な見方すらありました)

これが米国で一気にポピュラー(・・・でもないか?)になったのは、IPSCシューターが好んで使う様に
なったからでしょう。少なくともその時期、若干の脚光?を浴びました。しかし、セミ・リムド(リムが少し
外径より出ている)なので、フィーディングには敏感です。また、IPSC用にロードした場合、パウダー
の燃焼速度と薬量の関係で、腔圧が極めて上昇し易い性格となり、プライマーが抜けたり、ケースが
裂けたりのトラブルも多かったです(ファクトリー・アモではそう言った事はありません)。ちなみにプラ
イマー抜けや、凹が真っ平らに戻ったり、吹き抜け、などのトラブルの場合、ライフル用のプライマーを
使用したり、ファイアリング・ピンを重くするのが解決方法でした。奮発して軽量のタイタニウム・ピンを
買って付けたら余計に悪化して、ガンスミスに笑われたなぁ・・・

横道に逸れついでに(笑)、何故IPSCシューターが45ACPから38スーパーに浮気?したかと言うと、
チャンバー式のコンペンセイターと腔圧の高い38スーパーは、最高のコンビだったからです。以前に
銃雑記で書きましたが、チャンバー式はマズル・ブラストを壁面にブチ当てる事で作用しますから、圧の
高い弾薬ほど良く効くのです。皆、可能な限り腔圧を上げていました。カスタム・レースガンのスライド
は、ファイアリング・ピンが入っている部分の側面に、横穴を貫通させている物がありますが、これは
軽量化の意味もありますが、本来は万一プライマーが吹き抜けた時の、非常用ガス抜き穴なのです。
それほど圧力を上げていた訳です。結果的に弾薬のエネルギーはファクトリーの数割り増しなのにも
拘わらず、リコイルはコンプ無しの9mm×19クラス以下でした。ですから、これらのカスタム・ガンは
ファクトリーの38スーパー弾薬では作動し切らない物も多く(私のもダメ)、ホットなメジャー・ロードで
やっと動くくらいです。リコイル・スプリングを弱いテンションの物と交換して、スライドを軽量化したアン
リミテッド・クラスのカスタム・レースガンを多く見ますが、それもその為です。

「?」と思うでしょうが、軽量弾にてエネルギー上げる→プレッシャー上がる→コンプ効く→ショートリコ
イルが遅れる→スライドの後退力が落ちる・・・と言うカラクリの為です。
ですから、仲間内では「コンプ付きがファクトリー・アモで動けば、見掛け倒し」とされていました(笑)。
注:上記はチャンバー・コンプの話で、ポート式は該当しません。詳しくは雑記1 雑記2 参考。

ファクトリー・アモのスペック(1例)
130gr FMJ 1215f/s 426ft.lb 157.9PF(メジャーはクリアせず)

ついでなので、当時の私のリローディング・データよりIPSCメジャーロードでは・・・
155gr RN ハードキャスト  アキュレート・アームズNo.7(8gr) 1135f/s 443ft.lb
125gr RN FMJ  アキュレート・アームズNo.7(11gr) 1400f/s 544ft.lb(←あはは!)

(アキュレート・アームズは、パウダーのブランド〔イスラエル製〕です。プライマーは勿論ライフル用・・・)
共に175PFを丁度クリアしますが、125grの方はもうギリギリの圧力でした。しかし先に述べた理由で
コンプの効き目が向上するのでリコイルは軽く、スコア(タイム)向上には貢献しました。でも、ケースは
5〜6回でダメになりましたね(圧が強すぎてプライマー・ポケットが広がる)。

上記↑一部訂正&補足!
アキュレート・アームズは米国のブランドでした。イスラエル製と表記されていましたが、それは中身の
製造元で他にもチェコ製の表記もありました。


・・・やや脱線しましたが(笑)、薬量とプレッシャーとの関係も含め、「強力だけど神経質」な弾薬です。

現在は357SIGや40S&Wの影に隠れて、再び日陰の存在となりましたね(笑)。個人的には好きな
弾薬です。IPSCのアンリミテッド・クラスを製作するなら、今もやっぱり38スーパーを選ぶと思います。
一旦、銃の調整さえ完璧にすれば、ジャムの問題は殆どありません。・・・とは言え、メリットとリスクを
考えれば、一般の人にはお薦め出来ません。マニアの為の弾薬ですね。38スーパーは、競技用では
ありませんが、IPSC競技のアンリミテッド・クラスに於いては大変有利な弾薬と言えます。何故、アン
リミテッド・クラスに限るかと言えば、言うまでも無くコンペンセイターが付けられるからです。コンプ無し
ストック・クラスでは、38スーパーを選ぶメリットは殆どありません(装弾数の点では有利ですね)。

また、精度はお世辞にも良くありませんので、精密射撃の類には不適です。ブルズアイ競技なら、45
ACPの方が断然有利です。警察や特殊部隊用などにも(不可とは言わないが)最適とは言えないで
しょうね。

現在は何所のメーカーで適合銃を出していますかねぇ??少ないだろうなぁ・・・
スプリングフィールド・アーモリーは9mm×19はあっても38スーパーは無し(火付け役だったのに)。
S&W1911はありますね(買おうかな!)。チャールズ・デーリーは無し、SIGのGSRは無し、キンバー
は・・・まあ、後は皆さんでメーカーのサイトをググって見て下さい。

追記
射撃とは全く別に、38スーパーがデビューした当時のガバメント・スーパー・モデルは生産数が少ない
ので超コレクター・アイテムです。値段も高いですよ〜・・・フルオーダーのレース・ガンより高価かも?

追加質問
「45ACPと比較して、38スーパーはどれくらいプレッシャーが高いの?」と言う質問がありました。

一般的なパウダーでの通常ロード(一例)で・・・

45ACPが 15000〜20000 psi

38スーパーが 25000〜35000 psi

これだけ違います。私のリロード弾(125gr)は45000を超えていた筈。





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  ハンドガンに関するFAQ17

日野式などのブロー・フォワード・タイプは、どう言った作動原理なのか?スライドではなく、フレームが
後退する事で、エジェクトやフィーディングを行っていると言う事なのか?バレルが前進するのか?それ
とも、フレームが後退するのか?

日野式を改良するとすれば、何所をどうすれば実用性が増すか?

日野式にロッキング機能を設けて、強い弾薬(9mmパラ等)を使用可能にできるか?



  答え

>スライドではなく、フレームが後退する事で、エジェクトやフィーディングを行っていると言う事なのか?

これはちょっと意味が分からなかったのですが、フレーム側は特にどうにもなりませんよ。例えばマシン
・レストにフレームを固定して撃っても、ちゃんと作動する筈。フレームが後退するのではなく、バレルが
前進するのです。だからブロー「フォワード」なのです。

この原理は、以前銃雑記にて少し説明しましたが、ブロー式は銃身内の発射圧力を利用しているので、
スライドを後退(バック)させる事も、バレルを前進(フォワード)させる事も、どちらでも可能なのです。
実際には9割9分?のブロー式オートが、バックを採用していますけどね。日野式はバレルをフォワード
させる方を採った訳です。

重複しそうなので、未読の方は、先ず雑記の方を御覧下さい

と言う訳で(笑)、ショート・リコイルやロータリー・ボルト、ガス・オペレーテッド、等のボルトやスライドが
後退する動作を「ブロー・バック」とは言いません。ブロウではなく、リコイルで後退させているからです。
閉鎖機構を備える物は、ブロー・バックではないのです。ちなみに、ローラー・ロッキングは閉鎖機構で
はなく、強いて言うなれば「遅延機構」でしょう。ですからローラー・ロッキングはブロー・バックの一種
(ディレード・ブロー・バック)となります(トンプソンM1921のHピース式も同じ)。


>日野式を改良
う〜〜〜〜ん、ギブアップ?(笑)
あれはもう、どうにもならんでしょう・・・そもそもブロウ・フォワード自体、理屈では可能であるが、問題が
多すぎます。これは今まで製造されたブロウ式が殆ど「バック」だった事からも明らかです。
もっとも、天才的な発明家と言うのは、そう言った定説を覆すところが凄い訳で、可能性がゼロとは言い
ませんが、私のオツムではちょっと無理目。


>ロッキング
これは無理です。先に述べた様に、閉鎖機構を設けた時点でブロウ式ではなくなるので、フォワードは
不可能です。くどいですが、ロッキングを有する銃は「ロッキングが解除された時は、既に腔圧は安全圏
まで低下しているので・・・云々」、つまりブロウのエネルギー?は捨て去って、その後のリコイルだけで
後退させているのです。ロッキングでブロウのエネルギーを捨て去れば、当然フォワードも不可でしょう。
但し、例えばローラー・ロッキングの様な遅延機構を設けたディレード・ブロウ・フォワードなら可能です。

・・・あ!この辺に何か可能性が隠されていそうですね(笑)、ディレード・ブロウ・フォワード!何かライト・
マシンガンあたりに採用できそう・・・?機関部が短縮化され、バレルが激しく前後するので、冷却用の
フィンを付ければ強制空冷にw!う〜ん、ドリーム!後は若い人に任せた!オレはもう寝る(午前2時)。

追記
寝付けないので、↑の浪漫に水を注しましょう(笑)。ブロウ・フォワードはボア・プレッシャーを利用する
ので、例えば連続射撃でバレルが膨張した場合など、ボア・プレッシャーが低下して作動しなくなります。
リコイル式やガス・オペならば、バレルが少々赤くなろうとも、リコイルで機関部さえ動けば、とりあえず
弾をばら撒く事は出来るのです。安定した作動と言う観点からも、ブロウ・フォワードは致命的なのです。

一攫千金は楽じゃあない!頑張れ若者!オレはもう今度こそ寝る。


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  ハンドガンに関するFAQ18

CZのVZ52ピストルは、ローラーロッキングを採用しているが、これはHKと基本構造は同じなのか?

VZ52はディレード・ブローバックなのか?バレルはショート・リコイルすると言う話だが・・・?






  答え

ローラー・ロッキング・・・??
アレはローラー・ロッキングと言うのだろうか?ある意味、HKの機構よりも【ロッキング】と言う意味は
合っている気もするが・・・

兎に角、HKの【ローラー・ロッキング】とは全く異なります。ディレード・ブロウバックでもありません。
単にロッキング・ブロック(P38等にある)をローラーに置き換えただけの、普通のショート・リコイルです。
原理も基本的にはP38等と同じで、スライドとバレルをローラーでロック(結合)しておき、両者がショート
・リコイルすると、ローラーが溝に逃げてロックが解除されると言った仕組み。

HKの場合はローラーで抵抗を掛け、ボルトがその抵抗を押しのけて後退する、所謂【遅延機構】です。
ロック(結合)はせずに、抵抗を与えるだけです。ですから厳密に言葉の意味からは「ロッキング」には
ならず、デェレイさせる(抵抗を掛けて遅らせる)ブロウバックと言う事になる訳です。

この辺、かなり混同してる方が多いようですが・・・まあ、とにかく両者は別物です。


余談
セトメM58やG3、スイスのM57等はローラー・ロッキングによるディレード・ブロウバック式と、様々な
本にありますが、MG42は同じローラーを使うにも拘わらず、リコイル式(ショート・リコイル)に分類され
ます。その理由が、今回の質問の回答と同じ。

セトメM58/HK(ローラー式の)/STG57 = ディレード・ブロウバック

CZ52/MG42 = ショート・リコイル

追記
STG57は完全なローラーでは無く、テルテル坊主みたいな変形ローラー?です。




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  ハンドガンに関するFAQ19

ここのページに書いてあるカスタムM1911の仕様中、【オフセット・ファイアリングピン】と言うのは何?



  答え

この写真をアップした時も同じ質問があり、メールで回答したのですが、皆さんチェック鋭いですね〜!
文中、オフセット・ファイアリングピンと書いてますが、正確には【オフセンター・ファイアリングピン】
の誤りですね。これは、1911をアキュライジングする際、ロッキング・ラグをディープ且つ正確に削り
合わせる事でチャンバー側が上に移動してしまい、度合によってはファイアリングピンがプライマーの
センターを突かなくなって不発を招く事があるのです。その場合、正規ファイアリングピン穴を専用の
長いドリルで抉り、そこに穴がズレたブッシングを打ち込んで対策するのです。






この様にファイアリングピン全体をオフセットする訳ではなく、プライマーを突く部分だけ、上にズラすの
です。ですからファイアリングピンには若干の角度が付きます。また、図ではかなり大きな穴になって
いますが(笑)、実際には直径7mm弱のコーン・ブッシングで、リコイルによる影響はありません。但し、
穴は正確に開けて、ブッシングはブリーチ・フェイスと面イチにならなければいけません。この改造には
かなりのテクニックを要します。

加工後はこの様になります↓




私的に、この改造はあまりやりたくないので(面倒くさい)、なるべくこれを付けなくて済むようにラグの
フィッティングを行いますけどね。45ACPはラージ・プライマーなので、コンマ数ミリのズレならば問題
ありません。38スーパーはスモール・プライマーなので、この辺かなりシビアですが・・・

追記
ラグのフィッティングを行えば、バレルの角度が変わるので、フィクスド・サイトの場合、そのセットも
行う必要があります。


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  ハンドガンに関するFAQ20

1911系のオートに弾薬を装填してキャリーする際、チャンバーに装填した状態で、ハンマーをゆっくりと
降ろせば、ファイアリング・ピンはプライマーを突かないので安全と言われるが、実際、そうして携帯する
例は多いのか?




  答え

とんでもない。危険ですよ。確かにハンマーが下りた状態(レスト・ポジション)ではファイアリングピンが
プライマーに接触する事はありません。しかし、叩き代が約1ミリ程前進しますので、つまり、ピンはプラ
イマーに約1mm近付く訳です。これだけでも十分危ない。「でもAFPBがあれば大丈夫では?」 嫌々、
最も危険なのは、チャンバーに装填した状態で、ハンマーを指で押さえてトリガーを引き、ゆっくり降ろす
と言う行為自体
です。トリガーを引いている状態ではAFPBは無効です。もしもハンマーを押さえる指が
滑れば暴発一直線!ハンマーのレストを行うDAオートに、デコック装置が備わる理由を考えて下さい。

余談ですが、同じ理由からハンマー・コックした状態のDAリボルバーを、例えば「射撃止め!」の号令で
ハンマー・ダウンさせるのも危険を伴います。以前、競技会で隣の射手がそれを行おうとして床を撃った
のを覚えています。一番良いのは適当に狙って撃ってしまうのが安全ですが、どうしてもハンマーを降ろ
す場合は、先ずハンマーをしっかりと押さえトリガーを引き、ハンマーが少し前進した時点でトリガーから
指を完全に離し、その後、ハンマーをゆっくりと降ろします。そうすれば万一、ハンマーが落ちてもトリガ
ーが先に戻るので、ハンマー・ブロック或いはトランスファー機能が働いて暴発しません。

SAオートの場合↑の様に行いたくとも、ハーフコックをクリアする必要性から、トリガーを引き続けなけ
ればならず、AFPBは無効となってしまう訳です。ならばAFPBを装備する銃は、ハーフコックを無くして
しまえば?と思うかもしれません。しかし、もしもトリガーを引いた状態(ディスコネクターが作動した状態)
から、閉鎖ショックなどでハンマーがスリップした場合、フルオートになってしまいます。これを防止する
為にもハーフコックは必要なのです。DAオートの一部(P38等)にはハーフコックはありませんけどね。

私的結論としてSAオートはコック&ロック 或いはチャンバーに装填しない。この2通りしかありません。
それが嫌ならDAオートを選ぶべきです。

追記
質問は「そうした例は多いのか?」と言う事なので(笑)、少ないでしょうね。小説の世界ならばともかく、
実際の公機関では危険なので行われないと思います。言うまでも無く、拳銃を使うのはギャングや殺し
屋まで幅広いので、中にはそうする連中が居るかも知れませんが・・・

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