(旧Q&A)ライフルの質問21

KARUIZAWA SYNDROME さんからの質問。

レミントン700Pを購入しまして初撃ちにいきましたが、貴ホームページ上にある700Pと、とても同じ
銃で撃ったとは思えない広がりに意識が遠のきました。ハーフライフリングの11−87でもこのくらい
はあたるかも・・と少ししょんぼりしております。

貴サイトの趣旨とは異なるかもしれませんが「当てるコツ」なんぞご教授いただけませんでしょうか。
こういった銃の愛好者は実はかなりいるようです。ひょっとするとあたらないのは私だけなのかも
知れませんがどうかひとつ・・


  回答

成る程、これは切実です。せっかく買ったのにイマイチの結果だったと言う事は私も経験があります。
只、銃がM700PSSですと、これはさすがに「銃が悪い!」とは言えなくなってしまいます。
質問には記されていませんでしたが、弾薬はファクトリー製なのかな?リロードならばレシピが全く銃に
合っていないと言う事も考えられますが、ファクトリー弾なら、恐らくどんな弾種(弾頭)を選んだとしても
100mで5cm以上のグルーピングにはならない筈です。

ここで、人的ミス等の技術問題を述べる前に、銃以外のイクイップメントについて考えてみると・・・
先ず、銃や弾薬の集弾性能をテストするデータ採集射撃は、ベンチからレストして行います。レスト射撃
(依託射撃)と言っても、適当な箱に銃身を乗っけて撃つ様なやり方ではダメです。理想をいえばベンチ
レスト射撃用のフロントレストにリア・バッグを組み合わせた依託が最良ですが、一般の射手は持って
いないと思います。ハリスやパーカーへイル等の二脚でも良いですが、若干の広がりは覚悟しなければ
ならないと思います。土嚢や衣類の詰まったバッグ等でも同様です。少なくとも、みかん箱レベルでは
まともな射撃は出来ないと思うので、工夫して安定した依託台を確保して下さい。

もう一つは標的です。理想はやはりベンチレスト用の標的です。集弾性を競う競技用の標的ですから
視覚的な集弾し易さは一番だと思います。但し、これはスコープの倍率やレティクルのデザイン等にも
よりますけどね。レティクルに合わせて、狙い易いマークを黒マジックで白紙に書き込む方法も良いと
思います。不適な標的としては、大き過ぎる黒点標的や人像的。何処を狙って良いのか迷います・・・・
弘法筆を択ばずと言いますが、射撃に関しては必ずしもそうは言えません。

では次に技術的な点。質問には「当てるコツ」と、ありますが、これは集弾性能をテストする射撃では
少し違っています。弾を当てるのでは無く、集めるのです。3〜5発を最小にまとめるのが目的ですから
毎回同じ姿勢、同じグリップ、同じ頭の位置、同じ見出し、同じ反動・・・数え上げたらキリがありません。
とにかく『毎回同じ』を繰り返して下さい。難しいですが・・・・・

先ほどの道具と関係しますが、もしフロントレストとリア・バッグを使用するならば、撃つ前に銃が前後に
スムーズにスライドし、レストやバッグが少しも動かない様にセッティングする事も重要です。
大口径ライフルの精密射撃をする際に一番重要なのは、弾頭が銃身内を移動している間にも、反動で
銃が動いている点を良く理解する事だと思います。つまり、どんなにしっかり狙って正しく引金を引いても、
銃口から弾頭が離れる前に、銃がズレてしまったら元も子も無いと言う事です。ですからこれは反動の
強い銃になる程、難しくなります。そしてこの反動処理の問題は銃の種類や射撃姿勢に拘らず、反動が
少しでもあれば、規模の大小は違えど何時でも起こりうる事です。
銃をスムーズに後退させる、反動を毎回同じに受けとめる、等の事柄は「銃が反動で動くのは避けられ
ない。ならば毎回寸分違わぬ動きにして、同じ場所に集弾させる。」・・・・と言う理屈からなのです。

次はトリガージョブです。反動処理と同じく、どんなに正確に狙っても、引き金を引いた瞬間に台無しに
なってしまう場合があります。そしてこのトリガージョブは、精神的な面に大きく影響されます。いわゆる
フリンチングとか、ジャーキング等の症状です。簡単に言えば、一種の『ビビリ』です。反動に恐怖する
場合もあれば、「当てなければ!」と言うプレッシャー等でも起こります。一旦このクセが付いてしまうと、
直すのは殆ど不可能に近い恐ろしい病気です。コツ・・・と言うか、私は標的をあまり見ずにレティクルに
集中して(アイアンサイトの場合はフロントサイト)引き金を引く瞬間は、勤めて別の事を考えながら引く
クセを付けています。瞼の上が痛くなって、意識が一瞬飛んでしまう様な感覚です。(←ジャンキー?

まあ、こうなると個人個人で方法は違うのでハッキリとは言えませんが、重要なのは色々な方法を
むやみやたらに試すのでは無く、一応の結論が出るまで試してみてから、他の方法に変えると言う事。
多くの点をいっぺんに変えてしまうと、何が悪くて何が良いのか混乱してしまいますから。

と言った感じですが、勿論上記は射撃理論の『さわり』にもなっていない精々『ヒント』程度です。
射撃理論を全て書いたら一冊の本になってしまいますし、それ程深い事は私にも分かっておりません。
また、どんなスポーツでも同じですが、実践しなければ前には進みません。理論だけでは何の役にも
立ちませんからね。但し!間違った動作を覚えてしまうと、先に挙げたフリンチの如く、後で矯正する
のに大変な苦労を強いられます。正しい理論を土台に正しい練習を行う事が重要だと思います。

とは言ったものの、射撃の手引き書なんて殆ど見ませんよね。(皆無?)エアガン、サバゲーの雑誌は
沢山あっても、本格的な射撃雑誌(本)が一つも無いと言うのも困ったものです。出版社は売れる本
にしか興味が無い様ですし・・・・(・・・・ん?まあ、そりゃそうだな。売れなきゃツブれるもんな・・・・)
アメリカには様々な射撃・狩猟等のハウツー本が沢山あります。日本の出版社に期待しても埒があか
ないっぽいので(笑)英語の勉強も兼ねて、この様な本を取り寄せて調べるのも良いかもしれません。

頑張って集弾させましょう。







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 (旧Q&A)ライフルの質問22

ボブ・リー・スワガー さんからの質問。

レポートにあった、HSのご自作のボルトハンドルすばらしいですね。
ぜひ作り方を教えていただけませんでしょうか。
たかひろさんのホームページに掲載してありました(射撃場だったかな)、REM700+アキュラシー
インターナショナルのスタイル。あれがやりたいわけです。
確かにREM700のボルトはちょっとコツがいります。射撃場で撃っているとき、リューポルドの
スコープを10倍にしていたらリングの突起した角で小指を少し切ってしまいました。
実はストックはすでに発注しているのですがボルトハンドルの加工を・・・と銃の改造屋さんに相談
したところ、ボルトハンドルを途中から切断して製作のもをくっつける・・・工賃は4万円。
などといわれ自作するしかないか・・と思っていたところでした。
できれば写真など入れていただいて・・・製作方法をご教授ください。m(__)m



  回答

え〜、ちょっと回答が遅れてしまって申し訳無い。撮影用に何か作ろうかと思ってたんですが、結局
何も思い浮かばなかったので・・・・サンプル製作写真に留まりました。スワガー氏以外の方々からも
「どうやって作ったの?」と言う質問が以前よりありましたので、よかったら参考にして下さい。

良い子の図工

てな感じでした。
最初は適当な物で実験(練習)するのが良いですね。私も最初はぜんぜんダメでした。しかし、慣れると
色々と応用ができるので、苦労して覚えても損は無いと思いますよ。

それにしても、前回のKARUIZAWA SYNDROME さんもM700・・・・ここに紹介していない御便り
でも、Rem.モデル700を所有していると言う方は多いです。確かに良い銃ですからね・・・・・
値段が手頃で、高価なスコープ&リングと合わせて買ってもそれ程負担にならないのが良いですし、
精度も値段分以上です。パーツも豊富でカスタマイズし易く、何より、プロフェッショナル御用達ですから
信頼性も十分です。個人的にはHOWA・M1500あたりにも頑張って欲しいですが。(笑)






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 (旧Q&A)ライフルの質問23

憂国のゴルゴ さんからの質問。

1. 以前から疑問を感じておりましたが、ガスオペレーテッドシステムのピストン部とシリンダー部の
気密性はどの様に保たれているのでしょうか?車両のエ ンジンと同様にピストンリングみたいなの
が有るのですか?予告に載っているMー1カービンで作動原理の解説等して頂きたく思います。

2. 四四式騎銃の床尾版の構造はどうなっているんでしょうか?国内のモデルガンでは再現されて
いませんが、削杖の収納構造等に大変興味が御座います。

  回答 

では写真で説明しますので、こちらへGO!

質問1 ガスピストンについて

質問2 四四式のバットプレート

はい。そんな感じです。
しかし、四四式のモデルガンがあるなんて、驚きましたよ!良い時代ですねぇ・・・・
何時か九九式狙撃銃をモデルアップする時は、ウチのを是非参考にしてね(笑







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 (旧Q&A)ライフルの質問24

ONE SHOT ONE KILL さんからの質問。

リュ−ポルドのスコープ M1タクティカル(だったと思います)などに使われているデュプレックスと
いう照準線についてです。これは、どのようなものなんですか?ご教授ください。お願いします。


  答え

デュプレックスとはクロスヘアが2段階の太さになっているものです。「デュ」は2を意味します。つまり
こう言うレティクルを言います。逆光、薄暗い場所などで、レティクルを素早く目標に合わせ易いです。
ハンティングや軍事狙撃等に適しており、さらに細くなっている部分がミルドット(目標までの距離を
計測する円形スケール
)になっている物もあります。

おまけ。
旧軍用ポストタイプ
旧とは言っても、ヨーロッパでは今でもポピュラーです。






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 (旧Q&A)ライフルの質問25

TOMOさんからの質問。

現在ZF41のデータを集め、型式名、メーカーコードとシリアルナンバー等の関係を調べています。
そこでお願いがあるのですが、たかひろさんのZF41の刻印を教えていただけないでしょうか?
写真で見た限りでは型式名は"Z.F.41/1"となっていると思います。メーカーコードとシリアルナンバーを
教えていただければ幸いです。



  答え

TOMOさん以外の方からも、ZF41スコープの写真が見たいと言うリクエストがありましたので、刻印と
共にデジ撮影してみました。コンパクト・デジカメって便利だね。アレが無ければこんなコーナーは出来
なかったと思います。ただ、やっぱり写真としては未だフィルム撮影の方が優れているみたいですが・・・

はい。では本題に戻って・・・

でじこでGO!

はい。お終い。






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 (旧Q&A)ライフルの質問26

ブッシュマスターさんからの質問。

99式狙撃銃のレポートを楽しく拝見しました。そこで質問があるのですが、スコープの刻印の4の数字は
倍率として、7度?と言うのは何の表示かがわかりません。97式狙撃銃でも同じにありますが、何なので
しょうか。ぜひ教えて下さい!!

たかひろ注釈>この刻印の事です(刻印



  答え

あれは、アングル・オブ・ビューと言って、スコープを覗いた時の視野を角度で表したものです。つまり・・・



こう言う事です。一般に、倍率が大きい程、角度は小さく(狭く)なります。九七式の2.5倍スコープは10°
ですが、4倍の九九式スコープでは7°になっています。実際、同じ距離の標的を覗いてみると、確かに
2.5倍10°は、標的は小さいけれども視野は広く映し出され、4倍7°の場合、標的は大きく見えますが
視野は狭くなります。近距離では前者が有利で、長距離では後者が有利でしょうか? 軍用狙撃銃の
倍率が、あまり大きくないのは(2〜10倍)そう言った利害関係もあるからだと思います。





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 (旧Q&A)ライフルの質問27

田山さんからの質問。

ボルトアクションについてなのですが、ボルトアクションはレバーを上げて解除、引いてエジェクション
戻して装填、そしてレバーを下げてボルトをロックするという構造は分かるのですが・・・。
ボルトを戻して、レバーを下げずに撃つとどうなるのでしょうか?そのまま発射、ガス圧で勝手に後退
してしまうかのでしょうか?それともそういった事を防ぐためセフティーでもあるのでしょうか?
教えてください。


  答え

結論から言うと、ボルトハンドルを倒して(ロックして)からでなければ撃発しません。もしも、閉鎖せずに
発火してしまったら、ボルトが後ろに吹き飛んで(ボルトストップなど簡単に破壊)射手は大怪我をします。

では、何故ハンドルを倒さないと発火しないのか?

これは各ライフルの構造(デザイン)によって異なります。殆どの銃は、ハンドルが起きた状態(ボルトは
前進位置)でも、トリガーを引いてファイアリングピンを落とす事は可能です。しかし、そもそも、ファイア
リングピンは、ボルトに設けられた『傾斜した切り欠き』に沿って、ボルトを回転(ハンドルを起こす)事に
よってコックされる事を思い出して下さい。ですからハンドルが起きた状態で、ファイアリングピンが前進
しても、先ずボルトの傾斜に当たってしまいます。ファイアリングピンスプリングの力が強ければ、それでも
ピンは前進しようとしますが、しかし前進すると言う事は、傾斜に沿ってボルトハンドルを閉鎖位置に倒す
と言う事になります。つまり、ハンドルを起こしてファイアリングピンをコックする、その逆順を辿る訳です。
これは、コックオンオープニングでも、コックオンクロージングでも、同じ理屈です。

使いまわしですが、別件の解説を見ると分かり易いと思います。
引き込まれる原理



では、私が実際に試した銃を例に、具体的にどうなるかを記します。

マウザーkar98K/スプリングフィールドM1903/カルカノM1938/モシンナガン91-30
レミントンM700/HSプレシジョン/ 恐らく、一般的な殆どのコックオンオープニング式ボルト
アクションの場合・・・・

●ハンドルを完全に起こした状態→トリガーは引けるがファイアリングピンは落ちず、何も起こらない。

●ハンドルを中間位置にした状態→トリガーは引け、ファイアリングピンは落ちるが、ハンドルも一緒に
  回転し閉鎖位置に勝手に戻る。もし、その時発火しても、既に閉鎖位置に戻っているので問題ない。




SMLE/No.4 等、コックオンクロージング式ボルトアクションの場合・・・・
●ハンドルを完全に起こした状態→・・・っつーか、ファイアリングピンスプリングの反発力があるので
  ボルト前進位置(閉じた位置)で、ボルトを止めて置くこと自体ムリです。ファイアリングピンが落ちた
  状態から引き起こせば、上記位置で止めておけますが、それだと未だ3分の1程度しかコックされて
  いない状態なので、どっちみちトリガーを引いても何も起こらない。

●ハンドルを中間位置にした状態→トリガーは引け、ファイアリングピンは落ちるが、ハンドルも一緒に
  回転し閉鎖位置に勝手に戻る。もし、その時発火しても、既に閉鎖位置に戻っているので問題ない。
  (上のマウザー等と同じ)




三十年式/三八式/九九式/ 等、旧日本軍小銃の場合・・・・
●ハンドルを完全に起こした状態→安全機構が働き、トリガーが引けない。

●ハンドルを中間位置にした状態→安全機構が働き、トリガーが引けない。

●ハンドルを僅かに起こした(3〜4mm)状態→安全機構が働き、トリガーが引けない。

(つまり、旧日本軍小銃は、ちょっとでもボルトが起き上がると、トリガーが引けなくなります。ほんの少し
ショックを与えただけでもボルトが起き上がり、トリガーがロックされるので、戦場で慌てた兵士もいたと
思います。過度に安全過ぎるのも、問題があると思います・・・・余談ですが)






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 (旧Q&A)ライフルの質問28

退役老少佐 さんからの質問。

質問 1)三十年式歩兵銃のライフリング転度は1/10inですがこの銃で、新型尖頭弾採用の三八式用
三十年式実包を発射した場合の弾道性能はどのようになるのでしょうか、?
ご所有の三十年式歩兵銃で139gr弾頭付きのノルマファクトリーカートリッジか初速750m前後にリロ
ードされた実包(オリジナル三八式用三十年式実包似寄りの物)を発射しての一定距離での集弾性能
を同一条件で発射した三八式歩兵銃の集弾性能と対比して頂ければ最高なのです。 是が判ると、三
十年式三八式の更新手順が書類上判る部分との対比でなぜこの様にしたかはっきり意味付け出来る
かも知れません。
と申しますのは、異常に、更新速度が速いのです、更に、更新後不要に成った三十年式を中国に売却
していたりして、もったいない病の帝国陸軍にしては、何か三十年式を早く陸軍から追い出したかった
理由が有るのではないか?と思っています、まさか実包に互換性が無いとは思いませんが、集弾性に
かなり問題がでるのではと思っています、当時の小銃のライフリング転度は一般に30口径長で一回転
が普通です、新実包でも旧実包でも三十年式のライフリング転度は少し緩く、銃身が老朽化してくれば、
横転弾の発生率も高くなるかと思います、特にこの件は、津野瀬光男著『幻の自動小銃』に、この問題
の改修を南部麒次郎が手掛け三八式で改修したとあるのですが、時期や銃について曖昧な所、混同し
ている所、南部への改修指示者を有坂成章としている所(これは明らかな間違いでしょう)などあり、決
定打がありません、私は三八式の重要な改修点は、遊底被いでも、安全子でもなく、このライフリング
転度の改修が一番で、実包の改修も是に付帯した問題と捉えています、安全子の問題は、尾筒の簡
素化改修の副産物、薬室、及び包底面の強化ガス抜きは、実包改修を行えない状況での、初期対処
療法で、南部がまだ問題の根本を見通していない状況での改修と考えています。
話は、相前後しますが、三十年式交付直後の、薬莢張り付き、薬莢破裂、部品飛散、是による将兵の
負傷事故の初期不良対処の改修と言う前提の改修と言うことです。具体的、質問としては、新旧実包を
各々、三十年式、三八式で撃った場合の命中精度とお考え頂ければ幸いかと思います。
私としては、1三八式×新実包、2三八式×旧実包、3三十年式×旧実包、4三十年式×新実包の順に
なるのではと想像致して居ります、只アメリカでも旧蛋頭型11gの三十年式実包を入手し、かつ発射出
来る状態にするのは、相当な労力が要るかと思います実射でなく一つの意見で結構ですからお聞かせ
ください。


質問 2)三八式歩兵銃に三十年式と同じ1/10inの緩い転度のものが、極初期に少量生産されたと書
いて居られますが、出典は何でしょうか?日本国内の明確な資料としては、陸軍関係一次資料として
三八式の転度の緩いものが生産された記述は無いと思います(私が見つけられていないだけかもしれ
ませんが)アメリカの書物で是を特定した物があるのでしょうか?或いは、アメリカのコレクター市場では
割合と良く見かける類の事実なのでしょうか?出所不明の2次3次資料なら日本でも見かけるので、ど
うもどこかに『ある』としている原典が有るようですが(恐らく英語の資料)、不明にして中学2年程度の
英語力では、見つけられていませんお教え下さい、又その際、生産数、生産時期が判れば是もお教え
下さい。三八式初度生産の1906年から新実包制定の1908年の間の生産品が怪しいと考えては居り
ます、又これは蛇足乍銃身の取替え作業に付いての回収交換の文書が無い事から、両方共存したかと
思います、この事は、三八式短小銃の所で極初期の三八式歩兵銃から短小銃へコンバートしたのでは
ないかとの推理を、状況証拠乍裏付けているのではないかと思っています。



  答え

え〜、では順番に行きます。
先ず質問1より、ライフルリングツイストが10インチ1回転とありますが、私が手元の銃を実測した所
三八式(4条)、三十年式(6条)共に、8インチ1回転でした。但し測定方法は完璧ではなく、クリーニン
グロッドにパッチをグルーで固めて、それを何度もライフリングに通して、パッチが綺麗にライフル溝と
一致してから測定すると言う我流です。しかし、既にカタログでの数値(ツイスト)がハッキリしている
HSプレシジョンで実験した場合も、私の実測データと略一致するので、以来この方法で行っています。
まあ、メトフォートは角が丸いので、多少の誤差は出るかも知れませんが、2インチも違う事は無いと
思います。また、8インチと言う数字が仮に不正確であっても、三十年式、三八式の両者が同じピッチ
であったと言う事は確かです。念をおしますが、これは私の手元にある数丁に限っての測定値です。

ちなみに、月刊Gun誌1995年7月号のターク高野レポーターの測定値は、三八式が9インチ1回転
九九式が10インチ1回転と、少々異なります。私にとって、高野武氏は習志野空挺の大先輩ですが
(面識はありませんが)、事、今回の実測値については、私は自分の値を主張します。一応・・・(笑)
いずれにせよ、6.5mm弾薬で10インチと言うツイストは、私は初耳です。或いは仰るとおり極初期
の三十年式は10インチツイストが存在し、問題があったので途中変更したのかも知れません。

尚、これは余談ですが私の手元にある三十年式は、タイランド(サイァミーズ)輸出用の見本品と言う
激レア物なのですが、かと言って、バレルその他が量産品と変わる事は無いと思います。銃自体は
リアサイト頂点が異なり、ボルトストップにグループが切ってある普通の初期型です。

ラウンドノーズの初期型弾頭の弾道性能については、これを私の所有する数丁の三八式、三十年式
で、比較結論つけることは無謀です。各銃のコンディションには差が有り過ぎるのです。100年前後
経過した銃の、新品時のデータを採取するには、とても個人の所有数、設備では無理です。
私のアンティークガンの実射解説で、必ず「参考に留めて下さい」と但し書きをするのはその為です。
弾薬についても、オリジナルはテストには使用出来ません。まともなデータは取れないと思います。

それらを理解頂いた上で、以前にテストした私の三十年式での実射結果は、ボアが錆びて、焼損が
若干あるにも拘わらず、非常に良好で、100ヤードで掌には余裕で収まるグルーピングでした。
弾薬は、ノーマのSPラウンドノーズ156Gr、シェラブレット140Gr HPBT リロード弾、などを使用。
キーホールなどの気配は微塵もありませんでした。・・・・・あくまで参考に留めて下さい(笑)。
但し、質問にある様な 10インチ程度の緩いライフリングが存在したとすれば、これはトラブルを発生
した可能性が十分にあります。以下は私見ですが、細長い6.5Jpn弾薬と緩いツイストのライフルは
相性が悪い気がします。三八式や九七式狙撃銃のグルーピングが優秀なのは、8インチのツイスト
があってこそ、と、私は考えています。
唯、その様な不具合であれば、バレル交換で済む事ですからね。その理由だけで制式を降ろされる
事は無いと思います。

「勿体無い病・・・」、「早く陸軍から追い出したい・・・」 等の内情については、私は全く分かりません。
また、それとは話が別ですが、当時の実験結果やデータ等の資料も、全て100%信用出来る物では
無いと、私は考えております。つまり、何らかの事情で都合良く捏造された可能性も、当時はあった
のでは?と思います。時代が時代ですからね・・・(現在でも似た様なものでしょうか?)

>当時の小銃のライフリング転度は一般に30口径長で一回転が普通です

↑ちょっと意味が分かりません??

>新実包でも旧実包でも三十年式のライフリング転度は少し緩く、銃身が老朽化してくれば、横転弾
>の発生率も高くなるかと思います

↑先に述べたとおり、緩い(10インチ前後)ライフルリングが存在したならば、命中精度は悪い気が
しますが、私の手元にある初期型三十年式は、8インチツイストで、三八式と同じなので問題無し。
何か根底から覆す回答になっていますねぇ・・・・責任重大ですが、まあ、一つの参考意見として・・・・
私の手元の三十年式 = 全ての三十年式では無いですからね。

>具体的、質問としては、新旧実包を各々、三十年式、三八式で撃った場合の命中精度とお考え頂
>ければ幸いかと思います。

↑これはライフルリングの点で、既に相違があったので仕切り直したほうが良いかも。また、何よりも
先に申したとおり、数丁の、しかもコンディションが全く異なる銃、古い弾薬では、比較になりません。
現在の洋書、その他の資料でも、斯様な比較実験をしないのは、以上の理由からだと思います。
でも、私としても興味があるので、何とか自分なりに工夫して(弾頭だけ挿げ替えるとか)実行したい
とは常々考えてはいます。誰かに先を越されないうちに・・・・(笑

>実射でなく一つの意見で結構ですからお聞かせください。

成る程・・・・しかし、これは難しい。例えば、シェラのHPBTとノーマのSP弾頭は、オリジナルで比較
するところの、新旧弾頭の違いに形状が似ていますが(新=シェラ 旧=ノーマSP)、両者で集弾性
には殆ど差がありませんでした。でもなあ・・・それは根本的にちょっと話が違うなぁ・・・(笑)
これについては、私なりにもう少し勉強してからでないと何とも言えません。すみません・・・・・


>質問 2)三八式歩兵銃に三十年式と同じ1/10inの緩い転度のものが、極初期に少量生産され
>たと書いて居られますが、出典は何でしょうか?


嫌、それは違います。何処にそう言った事を書いたでしょうか?当初述べた様に、実測値は8インチ
で、10インチは初耳です。もしそう書いたなら、恐らく勘違いですので、詳しくお知らせ下さい。
・・・そんな事どっかに書いたかなぁ・・・?不安。あったら本当にごめんなさい(汗)
唯、ライフリングの本数であれば、三八式(四四式)の初期型は6条とは書きました。これは様々な
本に書かれていますし、実際に確認もしました。


>三八式初度生産の1906年から新実包制定の1908年の間の生産品が怪しいと考えては居り
>ます

↑それは正に、6条ライフルリングと4条ライフルリングの話です。ツイストとは無関係だと思います。





本文とは関係ない余談
上の文を書いていて、ふと思いましたが、『ライフリング』と、私は書いていますね。日本の文書は
ライフリングが正しいのでしょう。スペル(Rifling)をそのまま読むと確かに『ライフリング』となりますが
Life Ringに聞こえてしまい、健康食品みたいなので私は聞こえたまま『ライフルリング』と書きます。
別に深い意味はありません。どっちでもいいじゃん!一部ごちゃ混ぜになってるし・・・・(笑
唯ねぇ・・・
だからと言って最近やたらスペル書きが多いですが、あれは読み難い!日本人なら片仮名で書け!
って、激しくそんな感じです。特に頭にくるのが歌謡曲の題名!歌番組で、トップ20位〜10位とか
バーっと流れても、題名やグループ名を読んでる内に次に行ってしまう!
「ら・くりま・・くり?・・・だあぁ〜!」ってかんじ。ムカつく!カッコつけんなよ〜オレ達日本人じゃん!
最近のヤングはアレをササっと読めるんですかね?初耳でも?スゲエ・・・・ジンガイみたいじゃん!
え?単に学の違い?・・・・ぐはぁ!


追記
>当時の小銃のライフリング転度は一般に30口径長で一回転が普通です
この件について後日、御解説頂きました。ありがとうございます。

>当時の小銃のライフリング転度は一般に30口径長で一回転が普通です。
>判りにくい書き方ですみません、これは火砲で使われる口径長という書き方がいけなかったと思い
>ます。すみません。私が書きたかったのは、口径の三十倍がその口径に合ったツイストだと書きた
>かったのです、6・5ミリ掛ける30で195ミリ約8インチです、後8ミリ掛ける30で240ミリ約10イン
>チといった感じです。

成る程。それは初耳でした。現在のライフル銃のツイストは、初速、弾種、銃身長、等で、細分化
されて(同一口径にも様々なツイストがある)いますが、当時はそれを、設計段階でツイストを定める
目安にした、と言う事ですね。しかし、ならば尚更、6.5mmの三十年式が10インチツイストを採用
したと言うのは、腑に落ちませんねぇ・・・・上記の目安に従えば、やはり8インチとなるべきだよね。
確かに質問中にも、それについて書かれています。これで全て納得しました。

>質問 2)三八式歩兵銃に三十年式と同じ1/10inの緩い転度のものが、極初期に少量生産され
>たと書いて居られますが、出典は何でしょうか?

え〜、これはやはり別件と勘違いされていたそうです。私的には一安心・・・・(笑








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 (旧Q&A)ライフルの質問29

サンディエゴのKさんから質問。
(たかひろ注釈/質問前半略。米国にて旧日本軍の三十五年式海軍銃を入手したとの経緯)

知りたいのは、35年式ってまったく情報がなく、名称からいつ頃の銃なのかは分かるのですが、
何丁ぐらい作られどのようなバージョンがあって、何か理由があって30年式と38式の間のわず
かの期間に製造されたのか、実戦配備と何処の戦闘で使われたのか、など詳しく知りたいと思
います。一連の有坂銃の中で、一番情報が少ない銃かと思っています、お忙しいかと思いますが
よろしくお願い致します。




  答え

三十五年式は、海軍銃と呼ばれています。三十年式小銃に改良を加えた物ですが、これを行って
使用したのは海軍です。当時の海軍陸戦隊が、二十二年式の後継に採用したのが三十五年式と
言う訳です。素直に三十年式を採用しないところが海軍らしいと言うか・・・しかし、改良は当を得た
ものです。具体的には、手動式のダストカバー/ボルトシュラウドの改良(ガスが吹き抜けない構
造)/ボルトハンドルの大型化(三八式と同じ繭形)/ボルト内部(主にコッキングピース付近)の
簡略化/ボルトボディに非常ガス抜き穴を設ける/チャンバーのフィーディングランプ部分の改良
(ジャム防止)/タンジェントサイトの採用 ・・・・ 等です。

気が付いた方も多いと思いますが、上記は全て三八式小銃に受け継がれています。三十年式と
三八式の中間モデル・・・と言った感じです。こう言っては乱暴ですが、三八式の試作実験モデル
の様な感じさえ受けます。唯一つ異なるのはタンジェントサイトです。これは三八式には採用され
ませんでした。また、ダストカバーは手動式で、射撃の際は前にスライドさせて開放します。これは
サイァミーズ・マウザーと同じです。手動なので、万一開放し忘れてボルトを作動させると、空薬莢
が排出されずにスタックします(笑)。やはり問題と見たのか、三八式ではボルトと連動するタイプに
なります。

製造は東京(小石川)工廠、改良にあたったのは南部麒次郎。製造数は少ないです。ハッキリした
数は不明だと思いますが、5桁以上のシリアルは無い様です。また、三十五年式の初期には、タン
ジェントサイトではない通常サイト、ダストカバーが無い試作モデルも存在しました。







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 (旧Q&A)ライフルの質問30

匿名さんからの質問。

九七式狙撃銃のボルトは三八式歩兵銃に比べて下方へ曲げてありますよね、その事について
なんですが

1.シリンダーとの付け根から何ミリの所で曲がり始めているか?
2.その角度は何度か?

以上の2点です。暇な時で構いませんので教えて下さい。



  答え

暇な時は暫く訪れそうにありませんので、今お答えします。
てゆか、これは写真を見て頂ければ説明は要りませんね。ハンドルのカーブ(開始では無く、r の
中心)は、ボルトボディ側面より約1インチです。角度はモニターに分度器を当てて実測して下さい。

写真。






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